ガラビ橋

ガラビ橋：フランスが誇る鉄道遺産

ガラビ橋は、フランスのカンタル県、リュイヌ＝ザン＝マルジュリド近郊に位置する鉄道橋です。マルヴジョルとヌサルグ＝モワサックを結ぶ鉄道が、中央高地を流れるロット川の支流トリュイエール川を渡るために建設されました。ギュスターヴ・エッフェルとその会社によって建設され、1884年に完成、1888年に鉄道が開通しました。

橋の構造

全長564.85mの橋は、7本の錬鉄製の橋脚によって支えられています。最も高い橋脚は80mに達し、峡谷の最も低い地点を跨ぐ中央部は、スパン165m、高さ52mの単一アーチで支えられています。このアーチを挟むように、46mと71mの煉瓦造りの高架橋が南北に続いています。建設当初、トリュイエール川の渇水時からの高さは122.5mでしたが、1959年にトリュイエール川にダムが建設され、28kmに及ぶダム湖ができたため、水面からの高さは95mとなっています。

建設の経緯

若きエンジニア、レオン・ボワイエに計画が託されました。従来の方法では、谷ごとに線路を下ろし、トリュイエール川の支流に橋を架けて一つずつ越えていく必要がありました。しかし、ボワイエは台地と渓谷を高架橋と巨大な橋で直接越えるという革新的な案を採用しました。

吊橋の架設は、振動の問題と、当時65mを超える主塔を建設することが困難であったため、不可能でした。そこで、ボワイエはポルトガルのドウロ川に架かるマリア・ピア橋と同じ形式を採用しました。この橋は、エッフェルとテオフィル・セイリグ、そしてエッフェル社によって建設された、中央径間160mのアーチ橋でした。

橋のデータ

長さ: 564.69m
主径間: 165m
高さ: 122m
使用された煉瓦の体積: 20409立方メートル
使用された鉄の重さ:
錬鉄: 3169トン
鋼鉄: 41トン
鋳鉄: 23トン
リベットの数: 678768本

年表

1878年: ボワイエが路線の経路を決定するために測量を開始
1879年3月25日: ボワイエによる最初の計画が建設局に提出
1879年6月14日: 建設局が計画に同意
1880年1月: 工事が開始
1880年8月16日: エッフェルが最終案を提出
1882年8月1日: 橋脚の建設が開始
1884年4月20日: アーチの内輪郭の中央部材が取り付け
1884年4月26日: アーチの外輪郭の中央部材が取り付け
1884年6月: 橋床が完成
1884年9月17日: 取り付け部が完成し線路が設置
1887年5月9日: マルヴジョル、サン・シェリ・ダプシェ間の線路が開通
1888年4月10日: 初めて通過試験が行われた
1888年5月26日: サン・シェリ・ダプシェとサンフルールの間の線路が開通
* 1888年11月10日: マルヴジョルとヌサルグ・モワサックの間の路線が全通

文化的な影響

ガラビ橋は、その美しい姿から様々な作品に登場しています。1996年に発行された200フラン紙幣には、ギュスターヴ・エッフェルの肖像の背景にガラビ橋が描かれています。

また、映画『カサンドラ・クロス』に登場する「カサンドラ・クロス橋梁」は、ガラビ橋をモデルにしたと言われています。

ガラビ橋は、フランスの産業革命の象徴であり、ギュスターヴ・エッフェルの技術力の結晶として、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

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