ガルビネ・ムグルサ

ガルビネ・ムグルサ：テニス界を席巻した二つの祖国を持つ女王

ガルビネ・ムグルサ・ブランコ（Garbiñe Muguruza Blanco, 1993年10月8日 - ）は、ベネズエラのカラカス出身で、後にスペインを拠点として活躍した元女子プロテニス選手です。彼女は、2016年の全仏オープンと2017年のウィンブルドン選手権で女子シングルスのタイトルを獲得し、WTAツアーでシングルス10勝、ダブルス5勝を挙げるなど、目覚ましい実績を残しました。身長182cm、右利きで両手バックハンドを武器とする彼女は、WTAランキングでシングルス1位、ダブルス10位を記録しています。

生い立ちとキャリアのスタート

ムグルサの父親はスペイン・ギプスコア県エイバル出身のバスク人、母親はベネズエラ・カラカス出身です。5歳からテニスを始め、2011年にプロに転向しました。

2012-2013年：キャリア初期

2012年3月のマイアミ大会では、主催者推薦で出場し、1回戦で森田あゆみ、2回戦で当時9位のベラ・ズボナレワを破り、ベスト16に進出しました。全米オープンで4大大会に初出場を果たしましたが、1回戦で敗退しました。2013年1月のホバート国際では、マリア・テレサ・トロ・フロルとのダブルスで優勝し、初のツアータイトルを獲得しました。しかし、右足首の故障により、ウィンブルドン後の大会をすべて欠場しました。

2014年：ツアー初優勝

2014年1月のホバート国際で、クララ・ザコパロバを破り、初のシングルスタイトルを獲得しました。全豪オープンでは、1回戦で第24シードのカイア・カネピ、3回戦で第10シードのキャロライン・ウォズニアッキを破り、4大大会で初めてベスト16に進出しました。全仏オープンでは、2回戦で前回優勝者で世界ランキング1位のセリーナ・ウィリアムズをストレートで破るという番狂わせを演じました。カルラ・スアレス・ナバロと組んだダブルスでも、全仏オープンでベスト4に進出しました。

2015年：ウィンブルドン準優勝、トップ10入り

2015年のウィンブルドンでは快進撃を見せ、決勝でセリーナ・ウィリアムズに敗れたものの準優勝を果たしました。10月の武漢オープンでは、決勝でビーナス・ウィリアムズ戦で途中棄権しましたが、翌週のチャイナ・オープンではティメア・バシンスキーを破り、プレミア初優勝を飾りました。10月26日付の世界ランキングでは自己最高の3位になりました。WTAファイナルには第2シードで出場し、シングルスではラウンドロビンを1位で通過するも、準決勝で敗退。ダブルスでは準優勝という結果でした。

2016年：全仏オープン優勝

2016年の全仏オープンでは、決勝で前年のウィンブルドン決勝で敗れたセリーナ・ウィリアムズに勝利し、グランドスラム初優勝を果たしました。大会後の世界ランキングで自己最高の2位に浮上しました。

2017年：ウィンブルドン優勝、世界ランキング1位

2017年のウィンブルドンでは、決勝でビーナス・ウィリアムズに勝利し、ウィンブルドン初優勝を飾りました。ウエスタン・アンド・サザン・オープンでは、シモナ・ハレプを破り優勝。9月11日付の世界ランキングで初の1位となりました。スペイン人女子として世界ランキング1位を獲得したのは、アランチャ・サンチェス・ビカリオ以来2人目の快挙でした。

2018-2019年：下降

2018年はモンテレイ・オープンで優勝しましたが、前年優勝のウィンブルドン選手権では初戦敗退するなど、早期敗退の大会も多く、年間最終ランキングは18位に落ちました。2019年もモンテレイ・オープンで連覇を果たしましたが、全体としては振るわず、年間最終ランキングは36位でした。

2020年：全豪オープン決勝進出

2020年全豪オープンでは、ノーシードで出場し決勝まで進出しましたが、ソフィア・ケニンに敗れ準優勝でした。

ガルビネ・ムグルサは、そのアグレッシブなプレースタイルと、二つの祖国を背負って戦う姿勢で、多くのファンを魅了しました。彼女のテニス界への貢献は計り知れません。

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