ガロカテコール

エピガロカテキン（EGC）の基礎知識

エピガロカテキン（Epigallocatechin, EGC）は、フラボノール類に分類されるポリフェノールの一種です。カテキン骨格を有し、植物界に広く分布する天然化合物であり、特に緑茶に豊富に含まれていることで知られています。EGCは強力な抗酸化作用を持ち、様々な健康効果が期待されていることから、近年注目を集めています。バナナ、柿、ザクロなどの果物にも含まれていますが、緑茶における含有量は特に高いです。

EGCは、ヒトの体内のカンナビノイド受容体と相互作用することが報告されています。カンナビノイド受容体は、神経系や免疫系など、様々な生理機能に関与していることから、EGCの健康への影響解明は重要な研究課題となっています。ただし、その作用機序や効果については、更なる研究が必要です。

エピガロカテキンの立体異性体

EGCの分子構造には、2位と3位に不斉炭素原子（キラル中心）が2つ存在します。そのため、EGCは4種類の立体異性体（エナンチオマーとジアステレオマー）を持ちます。

これらの異性体は、化学的性質や生物活性に違いを示す可能性があります。緑茶などに含まれる主なEGCは、(-)-エピガロカテキンです。他の異性体である(+)-エピガロカテキン、(+)-ガロカテキン、(-)-ガロカテキンも存在しますが、その含有量は(-)-エピガロカテキンに比べて少ないです。

(+)-ガロカテキンと(-)-ガロカテキンは、2位の炭素原子の立体配置が異なるエピマーの関係にあります。どちらも没食子酸残基がトランス型で結合しています。

エピガロカテキンと関連物質

EGCは、様々な関連物質を形成します。例えば、没食子酸と結合した没食子酸エピガロカテキンや、他のカテキン類と結合したプロアントシアニジン（縮合型タンニン）を形成します。プロアントシアニジンA1は、エピガロカテキンとエピカテキンが結合した代表的な例です。

プロデルフィニジンも、EGCを含む複数のフラバノールが結合した重合体であり、植物に広く存在する物質です。これらの物質も、抗酸化作用などの生理活性を示すことが知られています。

まとめ

EGCは、緑茶などに豊富に含まれる抗酸化作用を持つフラボノールです。その構造、立体異性体、関連物質など、様々な観点からの研究が進んでおり、健康への影響解明が期待されています。今後の研究により、EGCの作用機序や効果がより明確になり、健康増進への更なる貢献が期待されます。 EGCの生理活性に関する研究は、食品化学、薬学、栄養学など多様な分野にまたがり、活発に行われています。これらの研究成果により、EGCの新たな可能性がこれからも明らかになっていくでしょう。

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