ガードナー・ムロイ

ガードナー・ムロイのプロフィールと業績

ガードナー・ムロイ（Gardnar Mulloy）は、1913年11月22日にアメリカのワシントンD.C.に誕生し、2016年11月14日にフロリダ州マイアミで102歳で亡くなった男子テニス選手です。彼は1952年の全米選手権男子シングルスで準優勝に輝き、1940年代から1950年代にかけて、ダブルス競技においてアメリカを代表する選手として華々しい活躍をしました。ムロイは「ガー」という愛称で親しまれ、彼のフルネームはガードナー・プットナム・ムロイです。

テニスのキャリアの始まり

ムロイは、ワシントンD.C.で生まれたものの、人生のほとんどをフロリダ州マイアミで過ごしました。彼はマイアミ大学法学部を卒業し、その際に大学のテニス部を組織して選手兼監督を務めました。1936年から全米選手権に出場し始め、1940年には男子ダブルスで決勝に進出。その後、1942年に初めての優勝を果たし、戦中にも関わらず全米選手権で彼の名は輝き続けました。1940年から1942年までの間、彼は連続して男子ダブルス決勝に進出しました。

戦時中の活動と復帰

第二次世界大戦が勃発した1940年、ムロイはアメリカ海軍に参加し、航空機の上陸作業に従事しました。1943年と1944年は軍務のため全米選手権に出場できませんでしたが、1945年に復帰し、タルバートとのペアで再び男子ダブルスで優勝を果たしました。このペアはその後も1946年と1948年に全米男子ダブルスでのタイトルを追加し、合計4回の優勝となりました。

ウィンブルドンと全豪選手権での活躍

1947年には、ムロイは全豪選手権に参加し、準決勝に進出しました。また、1948年と1949年にはウィンブルドン選手権に出場し、男子ダブルス準優勝を達成しました。彼のウィンブルドンシングルスでの最高成績は1948年のベスト4であり、その後も数回ベスト8に進出しました。全仏選手権でも目を引く成績を残し、男子ダブルスで1949年までの間に準優勝を果たしています。

男子シングルスとダブルスでの輝かしい記録

1952年、38歳8ヶ月で男子シングルスの決勝に進出したムロイは、初進出の試合でフランク・セッジマンに敗れて準優勝となりました。彼は男子ダブルスでも1953年と1957年に準優勝を迎え、全米選手権の決勝に9度進出したという偉業を成し遂げています。この間、ムロイは全米テニスランキングのトップ10に14年間入り、特に1952年にはランキング1位に輝きました。

混合ダブルスとデビスカップ

混合ダブルスでも彼は1955年と1956年に準優勝の成績を残しましたが、タイトル獲得には至りませんでした。また、デビスカップでは1946年から1957年の間、アメリカ代表選手として活動し、通算成績は11勝3敗を記録しました。

テニス界からの引退と遺産

1959年まで全米選手権に出場し、ウィンブルドン選手権には1966年まで挑戦を続けました。彼は終始アマチュア選手として活動し続け、1972年には国際テニス殿堂入りを果たしました。近年では、シニアトーナメントで活動を続け、1995年から1996年にかけて80歳以上の部門で4勝を挙げ、競技への情熱を示し続けました。

2016年に亡くなるまで、ムロイはアメリカテニス界に多大な影響を与え続けた存在でした。彼は2006年に亡くなったフィリス・キングの記録を更新し、ウィンブルドン優勝者の中で最も長生きした選手となりました。ムロイの業績は、今もなお多くのテニスファンや選手に影響を与えています。

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