ガール・フレンド (オックスの曲)

ガール・フレンド

「ガール・フレンド」は、日本の音楽シーンにおいて一時代を築いたグループサウンズ（GS）の代表的なバンド、オックスが1968年に発表した記念すべきデビューシングルです。本作は、後に日本のポピュラー音楽史に名を刻むことになる作曲家・編曲家の筒美京平と、数々のヒット曲の作詞を手がけた橋本淳という強力なタッグによって生み出されました。

リリース情報

この楽曲は、1968年5月5日に日本ビクターのレコード部門であるビクターレコード（現在のビクターエンタテインメント）から発売されました。当時のグループサウンズの人気が絶頂期を迎える中で登場したオックスのデビューシングルとして、リリース前から大きな注目を集めました。

楽曲解説

A面「ガール・フレンド」

A面トラックである「ガール・フレンド」は、作詞を橋本淳が、作曲・編曲を筒美京平が担当しました。楽曲は、印象的なフルートの透明感あふれる音色によって幕を開けます。この独創的なイントロに続き展開されるサウンドは、当時の洋楽シーンで流行していたソフトロックのエッセンスを取り入れた洗練されたアレンジが特徴です。オックスが持っていたアイドル的な魅力を際立たせるような、甘く切ないメロディラインと、瑞々しさを湛えた歌唱が印象的です。

メインボーカルは、グループのフロントマンとして絶大な人気を博した真木ひでと（リリース当時は野口ヒデト名義）が務め、その魅惑的な歌声で楽曲の世界観を表現しています。しかし、この楽曲の構成における特筆すべき点として、曲の半ばでギタリストの岡田志郎がボーカルパートを担当する箇所が設けられていることが挙げられます。これは、当時のグループサウンズ楽曲においては比較的珍しい試みであり、バンドとしての多様な表現力を示す要素となっています。

B面「花の指環」

シングルのB面には「花の指環」が収録されています。この楽曲も、A面と同じく作詞は橋本淳、作曲・編曲は筒美京平が手がけました。「花の指環」は、オックスのメンバー自身による演奏が特色とされており、バンド本来のサウンドや演奏能力を感じさせる一曲となっています。A面とは異なる雰囲気ながらも、良質なポップソングとしての魅力を持っています。

収録曲リスト

このシングルには、以下の2曲が収録されています。両曲とも、作詞：橋本淳、作曲・編曲：筒美京平という共通の制作陣による作品です。

ガール・フレンド
花の指環

主なカバーバージョン

「ガール・フレンド」は、その普遍的なメロディとアレンジの魅力ゆえに、発表から時を経て多くのアーティストによってカバーされ、歌い継がれています。代表的なカバーバージョンとしては、以下のようなものが知られています。

メイジャー・チューニング・バンド（1977年）: 彼らが発表したメドレー楽曲「ソウル・これっきりですよ!!」の一部として、シングルに収録されました。
サニー多咲とバブルジェッツ（2008年）: アルバム『バブルジェッツ・オン・ステージ』に収録され、その個性的なサウンドで楽曲を新たに解釈しました。
* 太田裕美（2014年）: 筒美京平氏の作品に焦点を当てたトリビュートカバーアルバム『tutumikko』に収録され、円熟した歌唱で楽曲に新たな息吹を与えました。

これらのカバーは、「ガール・フレンド」が時代やジャンルを超えて愛される楽曲であることを証明しています。

関連情報

「ガール・フレンド」がリリースされた1968年は、日本のポピュラー音楽において重要な転換期でもありました。グループサウンズが社会現象となる一方で、多様な音楽スタイルが登場し始めていた時期です。この楽曲が生まれた時代背景を理解するためには、当時の1968年の音楽シーン全般に目を向けることも有益でしょう。

オックスの「ガール・フレンド」は、単なるデビュー曲に留まらず、日本のグループサウンズにおけるソフトロック路線の先駆けとも言える重要な一曲です。筒美京平と橋本淳による優れた楽曲と、オックスのメンバーが持つ魅力が融合したこの作品は、今なお多くの人々に親しまれる名曲として、日本のポップス史に確固たる地位を占めています。

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