キア・オピラス

オピラス（Opirus）

オピラスは、かつて起亜自動車が製造していた高級乗用車で、2003年から2012年まで販売されていました。このモデルは、起亜の最上級車「エンタープライズ」の後継機として登場しましたが、その開発は韓国の金融危機による経営再建の一環で行われました。もともと起亜は1998年にアジア通貨危機を受けて経営破綻し、現代自動車の傘下となったため、オピラスはヒュンダイ・エクウスのプラットフォームを利用して開発されました。

「オピラス」という名称は「Opinion Leader Of Us」の頭文字を組み合わせて構成されており、同時にラテン語で「黄金の地」を意味する「Ophir Rus」にも由来します。特にデザインは高級車の中でも注目され、朝鮮日報によれば、フロントグリルはジャガー・Sタイプ、ヘッドライトはメルセデス・ベンツ・Eクラス、リアはリンカーン・タウンカーに似ていると指摘されました。このことにより、オピラスは「ジャピラス」や「リンピラス」といったニックネームを獲得しています。

エンジンは複数のバリエーションがあり、V型6気筒の2.7リットル、3.0リットル、3.5リットルのガソリンエンジンが用意されていました。加えて、レンタカー専用モデルとして2.7リットルLPGエンジン搭載車も存在しました。2006年にはフェイスリフトが実施され、エンジンラインアップが変更されました。具体的には、3.0リットルと3.5リットルガソリンエンジンがそれぞれ3.3リットルと3.8リットルに置き換えられ、デザインもリンカーン・タウンカーにさらに似た形状になったと評価されています。

さらに、2009年には新たに「オピラス・プレミアム」が登場しました。このモデルでは外観を維持しつつ、6速ATを搭載し、燃費と出力の向上を図りました。技術的には自社開発の6ATが採用され、ユーザーにとって魅力的な仕様となりました。

2012年にはオピラスの後続モデルとしてK9が発表され、これに伴いオピラスは生産終了となりました。また、オピラスは北米市場では「アマンティ」という名称で販売され、市場においても一定の評価を得ていました。

なお、起亜自動車は2007年に読売ジャイアンツの李承燁選手に対して100号本塁打達成を記念して「ニューオピラス」を贈呈しました。この車両は日本では正規輸入されていないため、日本国内において唯一のオピラスとなっています。

そのデザインや機能性に多くの影響を受け、オピラスは起亜自動車の歴史の中でも重要なモデルとして位置付けられています。例えば、現代自動車の優れた技術を土台にしながらも、独自のスタイルを確立したことが評価されています。このようにオピラスは韓国の自動車産業においても注目される存在です。

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