キア・ライノ

ライノ（RHINO）

ライノは、大韓民国の自動車メーカーである起亜自動車によって1988年から2004年まで製造された中型トラックです。このトラックは、主に4トンから5トンの積載能力を持ち、そのデザインと技術は特に日本の自動車技術を参考にしています。

初代ライノ（1988年 - 1998年）

ライノの初代モデルは1988年に発売され、ボクサーの後継車として位置付けられました。この車両は、日野自動車の3代目レンジャーをベースにしたボディに、2代目マツダ・タイタンのデザインを採用しています。エンジンには日野自動車のH07C型エンジンが搭載され、シャーシは同じく日野のFD系に由来しています。このH07Cエンジンは、同じクラスのバスであるAM818コスモスにも搭載されているため、信頼性の高いエンジンとして知られています。

1993年にはマイナーチェンジが行われ、外装に変化が加えられました。具体的にはフロントグリルの色が変更され、黒色になったこと、そして助手席に安全窓が新たに追加されたことが挙げられます。また、エンジンも起亜自動車のK6型エンジン（K6700型）に切り替わりました。さらに、パーキングブレーキは、一般的な乗用車やワゴン車で見られる機械式のものが採用されています。

2代目ニューライノ（1998年 - 2004年）

1998年、ライノの後継モデルとして、ニューライノが登場しました。これは初代ライノと2代目ボクサーの統合後継車として開発され、基本設計には日野自動車の4代目レンジャーが使用されています。搭載されるエンジンは、日野のH07D型エンジンを基にしたK7型エンジンです。

初期のニューライノは、フロントグリルの形状が横長でしたが、2000年には縦長に変更されました。また、2000年からはパーキングブレーキが改良され、機械式から空気圧式に切り替えられました。さらに、2001年にはステアリング・ホイールのデザインも現代の自動車に近い形状に変更されました。

しかし、残念ながらニューライノは2004年9月に生産を終了しました。この決定は、自動車排出ガス規制を満たせなかったことや、競合車両であるヒュンダイ・メガトラックに対する競争力が低下したためでした。結果として、起亜自動車は中型トラック市場から撤退することとなりました。

まとめ

ライノは、起亜自動車の中型トラックの中でも代表的なモデルの一つです。特に日本の技術を取り入れた設計は、当時のトラック市場に大きな影響を及ぼしました。現在、その存在は過去のものとなりましたが、トラック愛好者や歴史を紐解く上での重要な車両として、今も語り継がれています。

関連情報

• - キア・コスモス：同じエンジンが搭載された関連車種。
• - ヒュンダイ・メガトラック：競合するトラックモデル。
• - 日野自動車：搭載エンジンおよびベース車両の製造元。
• - 日野・レンジャー：このモデルの基本設計として利用されている車両。

詳細については、起亜自動車公式サイトや、ウィキメディア・コモンズにあるライノに関するカテゴリを参照してください。

もう一度検索