キア・リオ

キア・リオ：グローバルに展開するサブコンパクトカーの歴史

キア・リオは、韓国の自動車メーカーであるキアが生産・販売するサブコンパクトカーです。世界各国で販売されており、地域によって名称やモデル、仕様が異なる点が特徴です。本記事では、リオのモデルの歴史、各国での販売状況、そしてその特徴について詳細に解説します。

韓国での名称：「プライド」

韓国国内では、2代目モデルから「プライド」という名称で販売されています。これは、キアが1987年から1999年まで販売していた初代フォード・フェスティバをベースとした小型車と同じ名称で、歴史的なつながりを感じさせます。

各世代のモデル

初代（1999年～2013年、DC型）： アベラの後継車種として登場し、セダンとワゴンボディがラインナップされました。デザインはI.DE.Aが担当し、2度のマイナーチェンジを経て2002年には「リオSF」というサブネームも追加されました。

2代目（2005年～2011年、JB型）： 2004年のパリモーターショーで「キア・スポーツコンセプト」として公開され、翌2005年に発売開始されました。韓国では「プライド」として販売され、ヒュンダイ・アクセント（MC型）とプラットフォームを共有。セダンと5ドアハッチバックボディが用意され、2009年にはフェイスリフトモデルが登場し、特徴的なシュライヤーグリルが採用されました。

3代目（2011年～2017年、UB型）： ヒュンダイ・アクセント（RB型）とプラットフォームを共有する3代目リオは、5ドアハッチバック、4ドアセダンに加え、欧州市場向けには3ドアハッチバックもラインナップされました。エンジンは地域によって異なり、欧州向けには1.25L、1.4Lのガソリンエンジンと、1.1L、1.4Lのディーゼルエンジンが設定され、トランスミッションには5速MT、6速MT、4速ATが用意されました。一部車種にはISG（アイドルストップ＆ゴー）システムも搭載されました。北米市場向けには1.6L GDIエンジンと6速MT/ATの組み合わせが提供されました。製造は韓国の所下里工場で行われました。

4代目（2017年～現在、YB型）： 2016年のパリモーターショーで発表された4代目リオは、欧州市場ではハッチバックのみ、米国市場ではハッチバックとセダンが販売されています。韓国市場では販売されていません。デザインや技術面で大幅な進化を遂げ、より洗練されたモデルとなっています。

中国市場とロシア市場

中国市場では、UB型リオの代わりにキアK2が販売されました。K2はUB型リオの姉妹車ですが、K5（オプティマ）を彷彿とさせるフロントマスクを採用し、全く異なる外観となっています。エンジンは1.4Lと1.6Lの2種類が用意され、トランスミッションは5速MT/4速ATが設定されました。製造は東風悦達起亜汽車の塩城工場で行われました。

ロシア市場では、UB型リオの代わりにK2が「リオ」の名称で販売されています。ヒュンダイのサンクトペテルブルク工場で生産され、現地市場で高い人気を得ています。

まとめ

キア・リオは、グローバル市場で販売されるサブコンパクトカーとして、地域ごとのニーズに合わせた多様なモデル展開が特徴です。韓国市場での「プライド」という名称や、中国・ロシア市場でのK2ベースのリオなど、その販売戦略は複雑でありながら、それぞれの市場で高い競争力を維持しています。各世代のモデルチェンジにおいてデザインや技術面で進化を続け、現代の自動車市場において重要な役割を果たしていると言えるでしょう。今後、さらなる進化と展開が期待されます。

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