キア・K9

K9（ケイナイン）について

K9（ケイナイン）は、起亜自動車（KIA）が生産する高級乗用車で、まず初代モデルが2012年に発表されました。この車両の登場は、韓国車市場における大きなマイルストーンとなりました。K9はその名の通り、豪華さと性能を兼ね備えており、世界中のドライバーに愛されています。

初代K9（2012年-2018年）

初代K9は2012年3月にジュネーブモーターショーで初めて公開され、同年4月には韓国国内で予約受付が開始されました。当時のK9は、最新の技術が数多く搭載されており、特に注目されたのは「後方・側方警報システム」や「アラウンドビューモニタリングシステム」、電子式変速レバーなどです。また、12.3インチのフルサイズカラーLCDクラスターやアダプティブフルLEDヘッドランプなども採用され、運転の快適さを高める要素が盛り込まれました。駆動方式は、FR（フロント・エンジン・リア・ドライブ）を採用し、力強い走行性能を実現しています。

初代K9は、エクウスと共通のベースを持ちながらも、エクステリアデザインには独自の工夫が施されています。トランク部分が相対的に短くなり、躍動感のあるデザインが特徴的です。また、使用されているエンジンは、ヒュンダイ・ジェネシスと共有するV6・3.3L、V6・3.8LのGDiエンジンであり、初めてLEDヘッドランプを搭載した韓国車としても注目されました。

2代目K9（2018年-）

2018年4月には、新しく「THE K9」として2代目が発表され、発売が開始されました。このモデルでは、ジェネシス・G90（旧称：EQ900）と共通の基本メカニズムが採用されており、さらなる質感向上と性能の高まりが実現されました。エンジンの選択肢としては、ラムダ3.3L・V6・GDIターボ、ラムダ3.8L・V6・GDI、及びタウ5.0L・V8・GDIの3種類が用意されています。

特に注目すべきは、K9初となるAWD（全輪駆動）システムが全エンジンに設定されたことです。これにより、ユーザーはFRとAWDから選ぶことができ、走行性能の幅が広がりました。ミドルサイズのエンジンはFRとAWDの両方が選べますが、5.0L・V8エンジンはAWDのみの提供となっています。

車名の由来

K9の「K」は、起亜自動車（KIA）や韓国（KOREA）のほか、「強さ」や「支配」を示すギリシャ語の「Kratos」、さらには「ダイナミックな躍動性」を表す英語の「Kinetic」から取られています。一方、「9」は大型車を意味し、このセグメントにおける存在感を示しています。欧州市場では「クオリス（QUORIS）」、北米市場では「K900」としても知られ、地域ごとのマーケティング戦略に工夫がされています。

K9は、起亜自動車のブランディングの一端を担い、高級セダン市場での競争力を持つ車です。背後には、ヒュンダイ・ジェネシスやエクウスといった人気モデルとの連携があり、その技術やデザインはますます進化しています。また、K9の存在は、韓国の自動車産業全体が国際的な舞台での競争力を高めるためのキーとなっているのです。

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