キオッジャ

キオッジャ

イタリア北東部、ヴェネト州ヴェネツィア県に位置するキオッジャ（伊: Chioggia）は、周辺地域を含むおよそ48,000人が暮らす基礎自治体（コムーネ）です。ヴェネツィア県内で2番目に人口が多い都市として知られ、独特な地理的特徴と豊かな歴史を持っています。その中心市街は、ヴェネツィア潟の南端に浮かぶ島々に築かれています。

名称

都市名「キオッジャ」の起源は古く、伝説によれば、トロイア戦争からの逃亡者が創設した「クローディア」という共同体に由来するとされています。この名前は時代を経て変化し、現在の形となりました。ヴェネト語の方言では「Ciôxa」と呼ばれます。

地理

キオッジャは、ヴェネツィア県の南部に位置し、西はパドヴァ県、南はロヴィーゴ県と接しています。地理的には、ヴェネツィア潟とポー川デルタに挟まれ、アドリア海に突き出した半島状の地域に広がっています。ヴェネツィアとフェッラーラのほぼ中間にあり、パドヴァやロヴィーゴからは約50kmです。

歴史的な中心市街地は、ヴェネツィア潟の最南部にある小さな島々の集まりの上に築かれています。これらの島々は運河で隔てられ、橋で結ばれています。水の都ヴェネツィアとは異なり、キオッジャの大部分では自動車の通行が可能です。

市域東側のソットマリーナ島は、潟とアドリア海を隔てる砂州の最南端に位置し、キオッジャ旧市街と橋で結ばれた単独の市街地を形成しています。市域の西部や南部本土は、ブレンタ川やアディジェ川の下流域にあたり、多くの分流や運河が流れています。

歴史

キオッジャの歴史は古く、起源は伝説に遡ります。5世紀にはビザンティン帝国の一部でした。中世には独立コムーネとして発展し、1110年には司教座が置かれました。

歴史上の重要な出来事として、「キオッジャの戦い」が挙げられます。これは、14世紀末にジェノヴァ共和国とヴェネツィア共和国の間で起こった激しい戦いです。1379年にジェノヴァ軍に占領されましたが、1380年にヴェネツィアが奪還に成功しました。この戦いは、ヴェネツィアが地中海における商業覇権を確立する上で重要な役割を果たしました。

キオッジャはその後、1797年にナポレオンによってヴェネツィア共和国が滅亡するまで、その統治下にありました。ヴェネツィア共和国の終焉後は、一時オーストリア帝国に組み込まれ、その後もオーストリアとフランスの間で支配が移り変わりました。1866年、イタリア王国に併合されました。

第二次世界大戦では、連合軍の爆撃の危険にさらされましたが、1945年4月27日、市民の蜂起と連合軍により解放されました。

行政・その他

キオッジャの市域には、ソットマリーナをはじめとする多くの分離集落（フラツィオーネ）が含まれます。

国際姉妹都市として、ギリシャのラミア（2007年）とフランスのサントロペ（2008年）があります。

気候はzona Eに分類され、地震リスクは低い（zona 3）地域です。

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