キック・ユニオン

キック・ユニオン（K-U）

日本のキックボクシング界において、一時期重要な役割を果たしたプロフェッショナル団体が「キック・ユニオン」です。略称として「K-U」とも呼ばれました。この団体は、1998年に既存の主要団体であった全日本キックボクシング連盟から離れることを選択した、合計14のキックボクシングジムが集結して誕生しました。

団体の設立後、同年7月24日には東京都の後楽園ホールにおいて、その活動の始まりを告げる旗揚げ興行が盛大に開催されました。キック・ユニオンは、八王子ファイティングスポーツジム内に本部を置き、同ジムの会長を務めていた小林秀至氏が団体の代表としてその舵取りを行いました。

設立当初は独自の活動を行っていましたが、2000年後半からは、アジア太平洋キックボクシング連盟（APKF）との協力関係を築き、合同で興行を開催するようになりました。この連携は、より広範なキックボクシング界との協力へと発展していきます。2001年1月29日には、ニュージャパンキックボクシング連盟（NJKF）が開催した興行のリング上で、キック・ユニオン、APKF、そして日本キックボクシング連盟という既存の有力団体が、今後の交流強化を図ることを発表しました。この交流強化の流れは、同年7月8日に新たな組織「日本キックボクシング」（略称NKB）の設立発表へと繋がります。K-Uを含むこれら4団体がNKBの設立に参画したのです。

しかし、NKBの枠組み内での活動にも変化が生じます。2005年1月には、NJKFがNKBから離脱するという出来事がありましたが、この後もキック・ユニオンの代表であった小林秀至氏がNKBの実務を担う形で、NKBは活動を継続しました。以降、キック・ユニオンとしての独自の興行よりも、NKBが主催する興行が中心となっていきました。

NKBの活動が中心となる中でも、キック・ユニオンとして節目となる興行も開催されました。例えば、創立から10年を迎えたことを記念し、2008年7月20日には東京都のディファ有明で「K-U創立10周年記念興行」が行われました。しかし、キック・ユニオンとしての活動は徐々に縮小していき、2012年11月17日に開催された興行が、結果として団体として最後の公式な活動となりました。この興行をもって、キック・ユニオンはその歴史に幕を下ろすこととなります。

キック・ユニオンは、設立当初からその組織に加わったジムの中から、全日本キックボクシング連盟のチャンピオン経験者3名を初代王者として認定しました。具体的には、全日本フェザー級王者であった佐久間晋哉氏（八王子FSG所属）、全日本ライト級王者であった須藤信充氏（神武館所属）、そして全日本ウェルター級王者であった鈴木達也氏（稲毛道場所属）です。彼らは、キック・ユニオン設立の基盤となったジムに所属し、全日本キックでの実績を買われて、新団体の顔となる初代王者として迎え入れられました。

もう一度検索