キッズ・アンド・ミー

ビリー・プレストンの傑作『キッズ・アンド・ミー』

『キッズ・アンド・ミー』（原題：The Kids & Me）は、アメリカの著名なミュージシャン、ビリー・プレストンが1974年に発表したスタジオ・アルバムです。A&Mレコードに移籍後、4作目のアルバムとしてリリースされました。

制作の背景

このアルバムには、後にイーグルスに加入するジョー・ウォルシュがスライドギターで参加していることが特徴です。特に注目されるのは、「美し過ぎて」という楽曲で、クレジット上はビリー・プレストンとブルース・フィッシャーの共作となっていますが、ザ・ビーチ・ボーイズのデニス・ウィルソンもソングライティングに協力したという逸話があります。デニス・ウィルソンはこの曲を長年にわたり、ザ・ビーチ・ボーイズのライブで歌い続けました。

セールスと評価

『キッズ・アンド・ミー』は商業的にも大きな成功を収めました。アメリカのBillboard 200では、ビリー・プレストンにとって自己最高の17位を記録し、R&Bアルバム・チャートでは8位に達しました。このアルバムからシングルカットされた「ナッシング・フロム・ナッシング」は、1975年10月11日に放送された『サタデー・ナイト・ライブ』の第1回放送で演奏され、同年10月19日付のBillboard Hot 100で堂々の1位を獲得しました。さらに、「ストラッティン」もBillboard Hot 100で22位を記録し、アルバムの成功を後押ししました。

収録曲について

アルバムには、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。以下は収録曲の一覧です。

1. 愛する君に贈る歌 - Tell Me You Need My Loving
2. ナッシング・フロム・ナッシング - Nothing from Nothing
3. ストラッティン - Struttin'
4. シスター・シュガー - Sister Sugar
5. サッド・サッド・ソング - Sad Sad Song
6. 美し過ぎて - You Are So Beautiful
7. サムタイムズ・アイ・ラヴ・ユー - Sometimes I Love You
8. セント・エルモ - St. Elmo
9. ジョンは洗礼者 - John the Baptist
10. リトル・ブラック・ボーイズ・アンド・ガールズ - Little Black Boys and Girls
11. 未来への創造 - Creature Feature

これらの楽曲のうち、3、8、11はインストゥルメンタル曲です。

カバーされた楽曲

『キッズ・アンド・ミー』に収録された楽曲は、数多くのアーティストによってカバーされています。

ナッシング・フロム・ナッシング
ラズロ・ベイン：アルバム『Guilty Pleasures』（2007年）に収録
美し過ぎて
ジョー・コッカー：アルバム『I Can Stand a Little Rain』（1974年）に収録。シングルとしてもリリースされ、Billboard Hot 100で5位を記録する大ヒットとなりました。
ボニー・タイラー：アルバム『Silhouette in Red』（1993年）に収録
ミルト・ジャクソン：アルバム『プロフェット・スピークス』（1994年）に収録
ウエストライフ：アルバム『ラヴ・アルバム』（2006年）に収録
ダイアナ・ロス：アルバム『I Love You』（2007年）に収録

参加ミュージシャン

このアルバムには、以下のミュージシャンが参加しています。

ビリー・プレストン - ボーカル、キーボード
トニー・メイデン - ギター
ジョー・ウォルシュ - スライドギター
ヒューバート・ハード - キーボード
ケネス・ルッパー - キーボード
ボビー・ワトソン - ベース
Manuel Kellough - ドラムス
アルバート・パーキンス - バンジョー

『キッズ・アンド・ミー』は、ビリー・プレストンの音楽的多様性と才能が凝縮された、聴き応えのあるアルバムです。

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