キッチンオトボケ

キッチンオトボケは、東京都新宿区馬場下町に位置する、学生や地元住民に愛される老舗の定食屋です。1973年の創業以来、ボリューム満点の料理とリーズナブルな価格で、多くの人々の胃袋を満たしてきました。特に早稲田大学の学生にとっては、なくてはならない存在として知られています。

発祥と歴史

キッチンオトボケの歴史は、店主である仁平雅男氏が神田神保町のレストランで「ジャンジャン焼き」を考案したことから始まります。その後、1973年に馬場下町の穴八幡交差点でキッチンオトボケを創業しました。2010年代初頭には内装をリニューアルし、より快適な空間へと生まれ変わりました。

メニュー

キッチンオトボケでは、食券を購入して店員に渡すスタイルです。看板メニューであるジャンジャン焼きをはじめ、カツカレー、チキンカツ定食、メンチカツ定食、カニコロッケ定食、肉茄子炒め定食など、豊富な種類の定食が楽しめます。カツやコロッケなどの単品追加も可能で、自分好みの組み合わせを見つけることができます。また、メニューには記載されていない「特盛」も存在し、大食漢の学生たちを満足させています。

ボリュームと味

キッチンオトボケの魅力は、何と言ってもそのボリュームです。ジャンジャン焼き定食大盛に肉大盛りを追加すると、総重量は1キロ[[グラム]]を超えることもあります。それでいながら価格はリーズナブルで、コストパフォーマンスは抜群です。味付けは全体的に甘めで、どこか懐かしさを感じさせる昭和の味が特徴です。特にジャンジャン焼きは長年看板メニューとして親しまれており、メンチカツ定食は玉ねぎの甘みがじんわりと優しく、チキンカツ定食は適度な脂っこさが食欲をそそります。

食材へのこだわり

キッチンオトボケでは、食材にもこだわっています。肉は毎日朝晩2回仕入れて新鮮なものを使用し、米はあきたこまちとコシヒカリを毎日60キロ[[グラム]]も使用しています。テーブルには福神漬、沢庵漬け、揚げ物用のソース、一味唐辛子、練りからしといった調味料が常備されており、自分好みの味にアレンジすることができます。

学生との絆

キッチンオトボケは、早稲田大学の学生にとって特別な場所です。2000年代には、早大生が食事をすることを「トボケる」と呼ぶほど、学生生活に深く根付いていました。現在でも客層の8割が早大生で、卒業生が懐かしい味を求めて訪れることも少なくありません。かつては男子学生ばかりでしたが、近年では女子学生の姿も目立つようになりました。これは、2016年に行われたリニューアルで内装が綺麗になったことが理由の一つとして挙げられています。

著名人にも愛される味

映像ディレクターの高橋弘樹氏は、大学時代に毎日キッチンオトボケに通っていたと語り、「極めて普通のとんかつ屋」としながらも、「なじみの店」という安心感があったと述べています。BOOMERの伊勢浩二氏は、下積み時代にキッチンオトボケに通い、「安くてうまくて、まさに下積み時代の思い出のメシ」と回想しています。また、プロ野球選手の松本匡史氏と山倉和博氏も常連だったそうです。

キッチンオトボケは、単なる定食屋ではなく、早稲田大学の学生たちの青春の味、そして多くの人々の思い出が詰まった場所なのです。

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