キム・ヒョンソク (音楽家)

キム・ヒョンソク：韓国音楽界の巨匠

キム・ヒョンソク（金亨錫、김형석、1966年9月27日生まれ）は、韓国を代表する作曲家であり、その才能は多岐にわたります。1988年のデビュー以来、約1200曲もの楽曲を作曲し、数々のアーティストをスターダムに押し上げてきました。

生い立ちと音楽への目覚め

幼少期は、教育公務員である父親の仕事の関係で各地を転々としましたが、光州広域市に落ち着き、そこで青春時代を過ごします。中学校2年生の時に光州事件を自宅で目の当たりにし、軍部独裁への反感を抱いたとされています。漢陽大学では作曲を専攻する予定でしたが、大学の先輩でもある歌手ユ・ジェハの音楽に感銘を受け、大衆音楽の道へ進むことを決意しました。

作曲家としての成功

1988年、キム・グァンソクに提供した「사랑이라는 이유로（愛という理由で）」で作曲家としてデビュー。その後、イン・スニ、パク・ジニョン、BoA、シン・スンフン、キム・ゴンモなど、数多くの人気歌手に楽曲を提供し、その名を不動のものとしました。日本においては、映画「猟奇的な彼女」の主題歌が広く知られています。ドラマ、映画、ミュージカル音楽も手がけ、その才能をいかんなく発揮しています。一時は韓国音楽著作権料1位を記録するなど、まさに韓国音楽界を代表する作曲家と言えるでしょう。

政治活動と統一への願い

2010年代以降は、音楽活動に加え、政治活動にも積極的に参加しています。民主党に入党し、文在寅を支援するなど、自身の信念に基づいた行動を展開しています。2015年には、光復70周年を記念して朝鮮半島の統一を願う「ONE K グローバルキャンペーン」のテーマソング「One Dream One Korea」を発表。文在寅もレコーディングに参加し、この曲は2018年の南北首脳会談後のレセプションでも使用されました。また、文在寅大統領に献呈曲「ミスター・プレジデント」を作曲し、ドナルド・トランプ米大統領の公式歓迎式典で演奏されるなど、その影響力は音楽界にとどまりません。

パク・ジニョンとのエピソード

JYPエンターテインメントの創業者であるパク・ジニョンに音楽制作のノウハウを指導したエピソードは有名です。パク・ジニョンは、2年半もの間、無償で熱心に指導してくれたキム・ヒョンソクに感謝の念を抱いています。キム・ヒョンソクの知人が、パク・ジニョンの才能を警戒し、指導を控えるよう助言した際も、「私がもっと努力すれば良い」と意に介さず、指導を続けたそうです。後にパク・ジニョンが韓国の大衆音楽著作権料1位の作曲家になった際、キム・ヒョンソクは「いつかこうなるとは思っていたが、それが私が教えたあなただから嬉しい」と祝福したと言います。

受賞歴

1993年 第4回ミュージックボックス歌謡大賞
1994年 第1回ミュージカル大賞作曲賞、第5回歌謡音盤大賞 最高編曲賞
1997年 SBS歌謡大賞 作曲賞
1998年 SBS歌謡大賞 作曲賞
2002年 KBS歌謡大賞 作曲賞

キム・ヒョンソクは、音楽を通して人々に感動を与え、社会にも貢献する、真のアーティストと言えるでしょう。

参考文献
「K-POP遙かなる記憶」田月仙著 小学館

外部リンク
* キム・ヒョンソク (@kimhs0927) - X（旧Twitter）

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