キャスリン・ビグロー

キャスリン・アン・ビグローについて

キャスリン・アン・ビグロー（Kathryn Ann Bigelow）は、1951年11月27日に生まれたアメリカの映画監督です。彼女はSF、アクション、ホラーなど、さまざまなジャンルにわたり映画を手掛けており、特に2009年の『ハート・ロッカー』での功績により、女性として初めてアカデミー監督賞を受賞したことで知られています。

彼女の背景

ビグローはカリフォルニア州のサンマテオ郡サン・カルロスで育ちました。父親は塗装工場の経営者で、母親は図書館司書という家庭環境の中で、彼女は芸術に早くから興味を持ちました。サニー・ヒルズ高校卒業後、1972年にサンフランシスコ・アート・インスティテュートを卒業し、その後ホイットニー美術館のプログラムに参加してリチャード・セラやローレンス・ウェイナーといった著名なアーティストに師事しました。

ビグローは、若い頃にはロバート・ラウシェンバーグとともに活動し、また作曲家フィリップ・グラスと共同でマンハッタンのアパートのリノベーションを手掛けたこともあります。彼女の経歴は多才であり、芸術のみならず不動産業にもかかわりました。

映画監督としてのキャリア

コロンビア大学の芸術大学院に進学し、映画理論と批評について学んだビグローは、1978年に短編映画『The Set-Up』で映画監督デビューを果たしました。この作品はミロス・フォアマン教授からの高い評価を受け、彼女の映画監督としての道が開かれました。1981年には初の長編映画『ラブレス』を発表し、この時期にはGAPの広告モデルとしても活動していました。

彼女のプライベートでは、1989年に映画監督ジェームズ・キャメロンと結婚しますが、1991年に離婚しました。元夫キャメロンが執筆した小説を原作にした1995年の『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日|ストレンジ・デイズ_1999年12月31日』は、大規模な制作で話題となりましたが、結果として大きな赤字を出すことになりました。続く2002年の『K-19』も制作費に対して厳しい数字が続く結果となりました。

『ハート・ロッカー』の成功

しかし、ビグローは2009年に公開した『ハート・ロッカー』でついにその才能を大きく発揮することになります。この作品は、イラクでの爆発物処理班の任務を描いたもので、制作費は1,500万ドルと比較的低予算ながらも、ヴェネツィア国際映画祭で高い評価を受けました。『ハート・ロッカー』は、同年公開のキャメロンの『アバター』と賞レースで競い合い、第82回アカデミー賞では作品賞を含む6部門を制し、ビグローは歴史的な快挙を成し遂げました。

略歴とフィルモグラフィ

長編映画や短編映画に加え、テレビシリーズにも出演しており、その作品群は多岐にわたります。彼女が手掛けた短編映画の中には、2007年の『Mission Zero』や2014年の『Last Days』、2017年のVRドキュメンタリー『The Protectors』などがあります。テレビ作品では、"ホミサイド/殺人捜査課"や"Karen Sisco"のエピソードを監督しました。

ビグローはその独自の視点と表現力で、映画界に大きな影響を与え続けており、今後の作品にも大いに期待されています。

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