第82回アカデミー賞

第82回アカデミー賞概要

第82回アカデミー賞の授賞式は、映画芸術科学アカデミー（AMPAS）の主催により、2009年公開の映画を対象としています。この式典は、2010年3月7日にロサンゼルスのコダック・シアターにて午後5時30分（PST）から開始されました。通常は2月下旬に行われる授賞式ですが、今回はバンクーバーオリンピックと日程が重ならないように、3月に実施されました。

この授賞式はアメリカのテレビネットワークABCによって放送され、プロデューサーにはビル・メカニックとアダム・シャンクマンが名を連ね、司会進行はアレック・ボールドウィンとスティーヴ・マーティンが担当しました。特にマーティンは第73回、第75回に続き3度目の司会となり、ボールドウィンは初めての司会起用となりました。また、複数の司会者を起用するのは第59回以来のことで、観衆の期待を集める要因となりました。

受賞作品とノミネートの変更

2009年の6月24日、アカデミー会長のシド・ギャニスは、作品賞のノミネート枠を5作品から10作品に拡大することを発表しました。この決定は、第16回以来の大胆な変更で、映画賞への関心を高める目的がありました。また、作品賞の最終選考法はインスタント・ランオフ・ヴォーティング（IRV）に変更され、票割れのリスクを軽減する意図があります。この方法に関しては、米選挙改革グループのFairVoteに関するロブ・リッチー氏も賢明な選択であると評価しています。

技術貢献賞の授賞式は、2010年2月20日にビバリー・ウィルシャー・ホテルでエリザベス・バンクスの司会により行われました。

最多受賞と歴史的瞬間

今回のアカデミー賞では、最多受賞作品として『ハート・ロッカー』が挙げられ、作品賞と監督賞を含む6部門を制しました。特筆すべきは、キャスリン・ビグローが監督賞を受賞し、女性としては初めてこの栄冠に輝いたことです。また、アニメーション映画『カールじいさんの空飛ぶ家』は1991年の『美女と野獣』以来、アニメ作品として作品賞にノミネートされた2作目となり、その価値を高めました。

他のノミネート作品では、『アバター』が3部門で受賞し、『クレイジー・ハート』や『プレシャス』、さらには『カールじいさんの空飛ぶ家』がそれぞれ2部門での受賞を果たしました。

北米において、この授賞式の視聴者数は約4200万人に達し、これは第77回以来の高い数字を記録しました。

ノミネート発表と重要な歴史

授賞式に先立ち、ノミネート作品は2010年2月2日にカリフォルニア州ビバリーヒルズのサミュエル・ゴールドウィン・シアターで発表されました。この際の発表者はアカデミー会長のトム・シェラックと女優のアン・ハサウェイでした。もっとも多くノミネートされたのは『アバター』と『ハート・ロッカー』で、それぞれ9部門にノミネートされています。

また、アフリカ系アメリカ人として初めて脚本賞を受賞したのはジェフリー・S・フレッチャーであり、歴史的な瞬間となりました。

特別賞とトリビュート

この年の特別賞として、2009年11月14日に第1回ガヴァナーズ賞が開催され、アカデミー名誉賞がローレン・バコールやロジャー・コーマンらに授与されました。
また、『イン・メモリアル』トリビュートでは、女優デミ・ムーアがプレゼンターを務め、チャック・ワークマンがプロデュースした放送があり、ジェームス・テイラーがビートルズの「イン・マイ・ライフ」を歌うなど、多くの観客を魅了しました。

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