キャノネロ

キャノネロII：アメリカ国外調教馬として唯一のケンタッキーダービー制覇馬

キャノネロIIは、アメリカ合衆国ケンタッキー州生まれの競走馬です。生まれつき前脚に湾曲があったため、競走馬としては期待されていませんでした。1歳の時、キーンランドのセリ市で1200ドルという低価格で売却され、ベネズエラ人のエドガー・ケイベット氏に購入されます。

ケイベット氏はキャノネロIIをベネズエラに持ち帰り、そこで調教を行いました。ベネズエラでの競走生活を経て、3歳になった1971年、キャノネロIIはアメリカ最大の競走、ケンタッキーダービーに挑戦します。

当時、キャノネロIIは人気薄で、6頭まとめての馬券が販売されるほどでした。しかし、レースでは予想をはるかに超える走りを見せます。18番手から驚異的な追い上げを見せ、最後の直線では2着馬を3馬身3/4差で突き放す圧勝劇を演じ、一躍脚光を浴びました。

この勝利はフロックと考えられる声もありましたが、続くプリークネスステークスでも優勝し、その実力を証明しました。三冠レース最終戦のベルモントステークスでは、脚の感染症の影響もあり4着に敗れましたが、1971年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬に選出されるなど、その年の活躍は高く評価されました。

その後、キャノネロIIはテキサス州の大牧場主、キング・ランチに売却され、名調教師バディ・ハーシュ氏の手で管理されます。ハーシュ氏の指導の下、キャノネロIIは回復し、1972年のスタイミーハンデキャップでは、その年の二冠馬であるリヴァリッジを破るという快挙も成し遂げています。

1972年末に引退し、種牡馬となりました。そして、1981年、13歳でその生涯を終えました。

キャノネロIIの競走成績

当時、グレード制が導入されていなかったため、グレードは記載されていません。

1970年（2歳）：4戦2勝
1971年（3歳）：11戦6勝 (ケンタッキーダービー、プリークネスステークス優勝)
1972年（4歳）：8戦1勝 (スタイミーハンデキャップ優勝)

キャノネロIIの評価

キャノネロIIは、アメリカ国外で調教された馬としては唯一、ケンタッキーダービーを制覇した競走馬として、その偉業は競馬史に刻まれています。低価格で売却されたにも関わらず、その潜在能力を開花させ、数々の偉業を達成したその生涯は、多くの競馬ファンに感動と勇気を与え続けています。また、アメリカ競馬殿堂入りを果たした名調教師バディ・ハーシュ氏の手腕も、キャノネロIIの成功に大きく貢献したと言えるでしょう。彼の活躍は、血統や生い立ちにとらわれず、努力と才能があればどんな馬でも大きく羽ばたけることを示す、素晴らしい成功物語となっています。

脚注

特に記載事項はありません。

関連項目

ゴーアンドゴー（アイルランド調教でベルモントステークス優勝馬）

外部リンク

* 競走馬成績と情報 JBISサーチ

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