キャプシーヌ

キャプシーヌ：時代を超えたファッションアイコン

キャプシーヌ（本名ジェルメーヌ・ルフェーブル）は、フランス・サン＝ラファエル出身のファッションモデルおよび女優で、1928年1月6日に生まれました。彼女のニックネームとして「キャップ」「キャピー」があり、フランス語ではキンレンカを意味します。

略歴とキャリアの始まり

キャプシーヌの生年については諸説あり、1928年説の他に1931年、1932年、1933年説まで存在します。彼女はフランスのリセを卒業後、パリで観光中にカメラマンにスカウトされ、ファッションモデルとしての道を歩み始めました。ディオールやジバンシーといった名ブランドのモデルとして注目を集め、瞬く間にその地位を確立しました。

映画界にも進出し、最初に出演したのはジャン・コクトー監督の『双頭の鷲』でした。ここでは自身の本名でクレジットなしの出演となります。その後、次作『七月のランデブー』で共演したピエール・トラボーと結婚しましたが、7ヶ月で離婚することとなりました。

アメリカへの進出と女優としての活躍

1950年代から60年代にかけて、キャプシーヌはアメリカに活動の場を移しました。ジョージ・ラトフのもとで演技を学び、語学も習得し、ハリウッドでもその優雅な姿勢とドラマティックな風貌が注目を集めました。彼女のハリウッド初出演作は『わが恋は終りぬ』で、ダーク・ボガードとの共演が話題に。

この映画ではあまりにも優美な姿が印象深く、彼女はゴールデン・グローブ賞にノミネートされ、その後も『荒野を歩け』や『アラスカ魂』などに出演しましたが、代表作に恵まれない時期が続きました。しかし、コメディー映画『ピンクの豹』でエヴァ・ガードナーの代役として選ばれ、満を持して女優業においての代表作に恵まれました。

続いても『何かいいことないか子猫チャン』や『三人の女性への招待状』で彼女の独自のコメディセンスが光り、名声を高めましたが、彼女のプロデューサーであり後ろ盾であったチャールズ・K・フェルドマンの急死により、ハリウッドを去ることに。それでも彼女のキャリアは続き、数々のヨーロッパ映画やテレビ作品に出演し続けました。

プライベートと人間関係

キャプシーヌはその優雅さと美しさの一方で、冷淡だと受け取られることも多く、マスコミに対して非協力的だったため、様々な噂が流れることもありました。レズビアン説やトランスセクシャルについても言及されましたが、彼女自身は否定しており、これは主に当時の社会状況が影響していたと考えられます。

彼女は長い間、俳優ウィリアム・ホールデンと交際していましたが、彼が亡くなった際には遺産がキャプシーヌに贈られることとなりました。また、親友のオードリー・ヘプバーンには彼女の財産を託し、ユニセフや赤十字社への寄付を遺言で指定しています。

晩年

キャプシーヌはうつ病を抱えながらも、映画界で華やかなキャリアを築きましたが、1990年3月にスイス・ローザンヌの自宅からの飛び降りによって命を落としました。この出来事は多くの友人やファンに衝撃を与えました。彼女の最後のモデルとしての仕事は、イタリアン・ヴォーグの表紙だったと言われています。

キャプシーヌの存在は、ファッションモデル及び女優としての枠を超えて、エレガントで強い印象を残し続けています。彼女の影響は現代にも色濃く残っており、バービー人形「スーパーモデルシリーズ」からもそのオマージュが受け継がれています。

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