リセ

リセ（Lycée）

リセは、フランスにおける後期中等教育機関であり、日本でいう高等学校に相当します。リセは、もともとアリストテレスが設立したリュケイオンに由来しており、教育機関として多様な課程を提供しています。フランスの教育体系の中で、リセは重要な役割を果たしており、学生たちは文系および職業系の進路を選択できます。

リセの種類とコース

リセには、主に以下の3つのコースがあります。
1. 一般教育コース
3年間の過程を経て、普通バカロレアを取得することを目指します。このコースは大学進学を希望する学生に人気です。

2. 技術コース
こちらも3年間のプログラムで、技術バカロレアを取得します。技術系の進路を希望する学生に適しています。

3. 職業教育コース
2年間の職業適性証（CAP）を取得することを目的としたコースです。約200種類のCAPがあり、就職を目指す学生に向いています。また、CAPやBEPを取得した学生は、さらに職業バカロレアを取得するためのコースも選ぶことができます。

リセの数と全国分布

2013年のデータによれば、フランスには以下のリセが存在します。

- 一般教育・技術リセ: 1513校
- 職業リセ: 1086校
- 農業リセ: 218校
- 海事訓練リセ: 12校
- リセ・ド・ラ・デファンス: 6校

リセの数は地域によって異なり、都市部には特に多くのリセが存在します。これにより、学びたい分野に特化した学校を選ぶことが容易になっています。

歴史的背景

リセの起源は1802年にさかのぼります。この年、ナポレオン1世が教育改革を行い、リセを国立の中等学校として位置づけました。当初は5年間の修学年限が定められ、ブルジョワジー層に向けた古典教育が行われました。その後、1902年の改革により、古典教育と近代教育を統合した形での教育が導入されました。

1924年から始まった教育改革では、教育の機会均等や階級性の打破が目指されました。これにより、義務教育年限が延長され、リセとの連携が進んでいきました。大きな改革は1959年にシャルル・ド・ゴール大統領のもとで実現され、以降も様々な制度が経て現在に至ります。

リセの主な例

フランスの代表的なリセには、以下のような学校があります。

- リセ・ルイ＝ル＝グラン（パリ）
- アンリ4世校（パリ） - 映画「ラ・ブーム」の舞台に使用されました。
- リセ・サン＝ルイ（パリ）
- リセ・ジャンソン＝ドゥ＝サイイ（パリ）

また、日本やアメリカにもフランス政府認可のリセが存在し、多文化教育を提供しています。

- 東京国際フランス学園（東京）
- 京都国際フランス学園（京都）
- リセ・フランセ・ドゥ・ロサンゼルス（ロサンゼルス）

リセは、フランスの教育システムだけでなく、世界中でフランス語教育を広める重要な役割を担っています。

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