キャムデンの戦い

キャムデンの戦い

キャムデンの戦いは、アメリカ独立戦争の中で特に重要な戦闘の1つであり、1780年8月16日に南部戦線、サウスカロライナのキャムデンで行われました。この戦闘では、大陸軍がホレイショ・ゲイツ将軍の指揮の下で戦い、イギリス軍のチャールズ・コーンウォリス将軍と対峙しました。この戦いは、イギリス軍が大陸軍を圧倒し、南部におけるイギリスの支配を強化する結果となりました。

戦闘の背景

アメリカ独立戦争中、イギリス軍は北部戦線において膠着状態に直面していたため、南部に目を向けることにしました。1778年12月29日、アーチボルト・キャンベル中佐がジョージア州のサバンナを占領し、イギリス軍は南部の拠点を確立します。そして、1780年5月にはヘンリー・クリントン将軍がサウスカロライナのチャールストンを陥落させ、5,000名近くの兵士を捕らえました。クリントンは南部戦線の指揮をコーンウォリス卿に引き継ぎ、彼はサウスカロライナの制圧を目指しました。

対照的に、大陸軍は南部戦線の指揮官としてベンジャミン・リンカーン少将を任命しましたが、彼は失敗に終わり、最終的には捕虜となります。このため、大陸会議はサラトガの戦いで名声を得たゲイツを新たな指揮官に任命しました。ゲイツは新しい部隊と共にサウスカロライナに向かい、3,052名の部隊を率いて北から進軍しましたが、多くは経験不足の民兵でした。

戦闘の経過

キャムデンが近づく中、ゲイツ軍は敵軍との接触を果たし、8月16日の早朝にコーンウォリス軍と遭遇しました。両軍ともに夜間行軍の中で混戦を想定していました。夜が明けると、正面からの布陣に移行し、ゲイツはカルプ男爵の部隊を右翼に配置し、民兵を左翼に配置しました。コーンウォリス軍も同様の布陣を取ります。

戦闘が開始されると、ゲイツ軍の民兵たちが一斉に逃走し、イギリス軍の攻撃を受け側面を突かれるという劣勢な状況に陥ります。主力の指揮を執っていたカルプ男爵は、戦闘中に馬を撃たれ落馬し、その後も致命的な負傷を負いました。カルプの副官ル・シュバリエ・デュ・ビュイッソンは友人を守るために奮闘しましたが、ついにゲイツ軍は崩壊し、混乱の中で退却せざるを得なくなりました。

この戦いにおける大陸軍の損失は壮絶で、約1,000名が死傷、132名が行方不明となり、重要な指揮官を失いました。また、物資や大砲も失い、イギリス軍に対して大きな打撃を与えられる結果となりました。

戦後の影響

この戦闘で戦死したカルプ男爵はドイツ出身であり、1777年に大陸軍へ志願していました。彼の死は当時の人々によって盛大に称賛され、アメリカ合衆国内には彼にちなんで名付けられた地名（デカルブなど）も存在します。戦闘後、ゲイツはすぐに罷免され、ナサニエル・グリーン将軍が南部戦線の指揮を引き継ぎました。グリーンはイギリス軍との直接的な対決を避けつつ、軍の再編に努め、後のヨークタウンの包囲戦へとつなげました。

結論

キャムデンの戦いは、アメリカ独立戦争における重大な転機であり、大陸軍の士気に深刻な影響を与えました。その後の戦局は変わることとなり、独立に向けた闘争は続きました。この戦闘の結果は、南部戦線における戦略や戦術に大きな影響を及ぼし、イギリスの支配を一時的に強化する結果となったのです。

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