キャンシステム株式会社について
キャンシステム株式
会社(英: CAN SYSTEM.CO.,LTD.)は、かつて日本に存在した企業で、
有線ラジオ放送(有線音楽放送/ケーブルラジオ)事業と防犯・
監視カメラの製造・販売を主な事業としていました。
概要
社名の「CAN」は、Cable Audio Networkの頭文字に由来します。前身は日本音楽放送で、主に飲食店などの店舗向けに有線音楽放送を提供していました。有線放送業界では、
USEN(旧:大阪有線放送社)に次ぐ業界第2位の規模を誇っていました。
また、通信衛星を利用した衛星放送「SPACE DiVA(スペースディーバ)」と「BUSINESS DiVA(ビジネスディーバ)」も展開していました。
1968年から
2017年まで『
日本有線大賞』を主催していた全国有線音楽放送協会に加盟していました。
2000年頃からは、有線音楽放送に加え、店舗運営支援事業にも進出しました。吸収合併前は、防犯・
監視カメラの製造販売事業を主力としていました。
2024年、
USENに吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。防犯・
監視カメラ製造販売事業は、
U-NEXT HOLDINGSの子
会社である
USEN Camera Solutionsに引き継がれています。
沿革
1962年4月:工藤宏が創業。自由が丘と三軒茶屋周辺で街頭放送を開始し、その後、飲食店などへの音楽配信事業を開始。
1965年3月:株式
会社日本音楽放送として設立。横浜と新宿区柏木町で有線音楽放送事業を開始。関東周辺に多数の営業所を設け、最盛期には全国に200もの営業所を展開。
1989年8月:キャンシステム株式会社に商号変更。本社を杉並区天沼に移転。
2000年9月:業務用レンタルサーバーサービスを開始。店舗運営支援事業を本格化。
2002年1月:カード決済サービスを開始。
2005年4月:
ミュージックバードと業務提携。「SPACE DiVA」を共同運営。
2015年8月:USENと資本業務提携を締結。
2018年10月:
USEN-NEXT HOLDINGSの完全子
会社となる。
USEN-NEXT HOLDINGSの役員が
取締役に就任。以降、防犯・
監視カメラ製造販売を主力事業とする。
2019年10月:リクエスト楽曲登録受付を終了。
2020年11月:本社を
USEN-NEXT HOLDINGS本社所在地である
目黒区上大崎に移転。
2021年9月:米田晴彦が代表[[取締役]]社長に就任。工藤嘉高は取締役会長に。
2024年2月:
ミュージックバードとの業務提携を解消。「SPACE DiVA」サービス終了。
2024年9月:USENに吸収合併され解散。防犯・監視カメラ事業はUSEN Camera Solutionsに承継。
キャンシステムユニオンは、2006年5月13日に結成され、同月30日に会社へ通知されました。組合員は約250名以上でした。
訴訟
損害賠償請求訴訟
2003年7月、USEN(当時は有線ブロードネットワークス)と日本ネットワークヴィジョンが、キャンシステムの従業員496名を引き抜き、顧客5万件以上を不正に奪取したとして、キャンシステムは両社を訴えました。
公正取引委員会は、この行為が独占禁止法に違反するとして、両社に排除勧告を行いました。キャンシステムは、USENに対し約113億円の損害賠償を求める訴訟を起こし、USENもキャンシステムに対し約142億円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。
2008年12月、東京地方裁判所は、USENに約20億円の損害賠償を命じる判決を下し、USEN側の請求は棄却されました。その後、両社は控訴しましたが、2010年7月にUSENがキャンシステムに20億円を支払うことで和解が成立しました。
退職金未払い請求訴訟
2009年10月、東京地方裁判所は、日本ネットワークビジョンへ移籍した退職者の行為は背信的行為であるとし、退職金を受け取る権利はないとの判断を下しました。
関連項目
日本芸能出版(キャンマガジンの発行元)
ミュージックバード(業務提携先)
全国有線音楽放送協会
弘前ケーブルテレビ
外部リンク
株式会社USEN Camera Solutions