キャンディ王国

キャンディ王国の歴史

キャンディ王国（シンハラ語: මහනුවර රාජධානිය、英語: Kingdom of Kandy）は、スリランカの中部に位置していた一大王国です。この国は15世紀後半から19世紀初頭にかけて存在し、キャンディを首都とし、スリランカ中部から東部の広範囲がその領土となっていました。

国名の由来

キャンディ王国はその長い歴史の中で、いくつかの名称で知られています。これには、Kanda Uda Pasrata、Senkadagala Kingdom、Kanda Udarata（「山の上の国」という意味）、Mahanuwara Kingdom、Wardhanapura、Sinhalé、Thun Sinhalayaなどが含まれます。これらの名称は、王国の地域的特性や文化的背景を反映したものです。

歴史の始まり

キャンディの町は、14世紀中頃にガンポラ王国のヴィクラマバーフ3世（1357年-1374年）の時代に創建されました。スリランカ中部の地域は15世紀初頭から16世紀後半までコーッテ王国の領有の下にありましたが、コーッテ王国がポルトガルの影響を受けて弱体化したことに伴い、キャンディは独立した勢力を持つことになりました。1521年、コーッテ王国が内紛で分裂すると、キャンディも独立を宣言して他勢力と戦いました。

当初、シーターワカ王国が力を持ち始めると、キャンディはポルトガルと同盟を結び、その勢力に対抗しました。しかし1546年にこの同盟が解消され、1560年にはコーッテ王国とポルトガルの連携に対して、北部のジャフナ王国と手を組む形となりました。この戦乱の中、1570年代から1580年代の間、キャンディ王国は一時的にシーターワカ王国の支配下に置かれましたが、1594年に同国が滅亡すると、キャンディはスリランカで唯一、西洋の支配を受けていない政権となったのです。

ポルトガルとオランダの接触

その後、ポルトガルからの攻撃が続く中で、1602年、オランダの探検家ヨリス・ヴァン・スピルバージェンがキャンディ王国に接触しました。1611年、ポルトガルはキャンディを占領し、王はオランダ東インド会社に援助を求めました。しかし1620年にオランダ艦隊は反撃に失敗し、一時オランダ勢力はセイロンから退去しました。キャンディ軍は1630年の戦いでポルトガル軍に大勝を収め、その結果ポルトガル領の多くを再び王国のオーナーシップ下に取り戻しました。

しかし、内部の政情不安定が続き、再びポルトガルの優位が戻りました。1638年、キャンディ王国は再度オランダと同盟を結び、1670年代まで両国の間で戦闘と和平を繰り返しました。最終的には、1658年にポルトガルのセイロン支配が終焉し、オランダがその勢力を強化しました。

イギリスの侵攻と滅亡

1795年、フランス革命戦争によりオランダ本国が占領されると、イギリスはオランダ植民地に攻撃を仕掛けます。1796年にはオランダの支配が終わり、キャンディ王国も1803年からのイギリスによる侵入を受けます。1815年、キャンディ条約により王国は保護国となり、さらにウバ州での反乱失敗を受けて完全にイギリス領となり、滅亡します。最後の王シュリ・ヴィクラマ・ラジャシンハはインドへ流刑され、1832年に死亡しました。

関連項目

キャンディ王国の歴史はスリランカの文化と歴史に深く根付いています。関連情報としては、キャンディの王宮、キャンディ湖、ダラダー・マーリガーワ寺院などが挙げられ、これらはキャンディの歴史的、文化的重要性を示しています。

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