キュミ州

キュミ州とは

キュミ州（フィンランド語: Kymen lääni、スウェーデン語: Kymmene län）は、1945年から1997年まで存在したフィンランドの州です。この州の成立には、第二次世界大戦中の継続戦争とその後の領土変動が深く関わっています。

キュミ州成立の背景

1941年から1944年にかけて繰り広げられた継続戦争は、フィンランドとソビエト連邦の間で激しい戦闘が行われました。1944年9月19日にモスクワ休戦協定が締結され、戦争は終結しましたが、この結果、フィンランドは領土の一部を失うことになりました。

具体的には、戦前フィンランド領であったヴィープリ州の一部、カレリア地峡とラドガ湖周辺がソビエト連邦に占領されました。1947年のパリ条約によって、これらの占領地は正式にソビエト連邦領として割譲されることが決定しました。しかし、ヴィープリ州の全域がソビエト連邦に占領されたわけではなく、一部はフィンランド領として残りました。このフィンランドに残ったヴィープリ州の一部を基盤として、1945年にキュミ州が発足したのです。

キュミ州の消滅とその後

キュミ州は、1997年9月1日にフィンランドの州の大規模な再編に伴い、ウーシマー州、ハメ州南部と合併し、その歴史に幕を閉じました。合併後の新たな州は南スオミ州と名付けられました。

その後、フィンランドの州制度はさらに変化を迎え、2010年1月1日に南スオミ州を含むすべての州が廃止されました。これにより、フィンランドの州の歴史は完全に終結し、新たな行政区画へと移行することになりました。

キュミ州の変遷

キュミ州は、その短い歴史の中で、フィンランドの激動期を象徴する存在でした。第二次世界大戦後の混乱期に成立し、その後の行政改革によって消滅しましたが、その存在はフィンランドの歴史に深く刻まれています。

キュミ州の歴代知事

キュミ州には、以下の歴代知事が任命されました。

Arvo Manner（1945年 - 1955年）
Artturi Ranta（1955年 - 1964年）
Esko Peltonen（1965年 - 1975年）
Erkki Huurtamo（1975年 - 1984年）
Matti Jaatinen（1984年 - 1993年）
Mauri Miettinen（1993年 - 1997年）

これらの知事たちは、キュミ州の発展と安定に貢献しました。

まとめ

キュミ州は、第二次世界大戦後のフィンランドの領土変動と行政改革という、二つの大きな歴史的出来事を背景に成立し、消滅した州です。その歴史は、フィンランドの戦後史と地方行政の変遷を理解する上で重要な意味を持っています。

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