キュリー

キュリー（curie, 単位記号 Ci）は、放射能の大きさを表すための非SI単位です。日本の計量法においては、現在でも法定[[計量単位]]として認められていますが、国際的にはベクレル（Bq）が主に用いられています。

定義

キュリーの定義は、歴史的に変遷を経てきました。1910年の放射線会議では、ラジウム1グラム、またはラジウム系列の元素については、ラジウム1グラムと平衡にある放射性物質の量と定義されました。その後、1953年の国際放射能単位委員会において、ラジウムへの依存を廃止し、1秒あたり3.7×10^10個の原子核崩壊を起こす放射能と定義されました。この定義変更により、現在ではラジウム1グラムの放射能は、厳密には1キュリーとはみなされなくなっています。

1キュリーは、ベクレルで表すと3.7×10^10 Bq（37ギガベクレル）に相当します。しかし、この値は大きすぎるため、実用上はマイクロキュリー（μCi）やピコキュリー（pCi）といった小さい単位が用いられることが多くありました。

国際単位系における扱い

国際単位系（SI）では、放射能の単位としてベクレル（Bq）が採用されています。キュリーはSI単位ではなく、現在は使用が推奨されていません。これは、キュリーが歴史的な経緯から定義されており、SI単位系との整合性が低いことが理由です。アメリカ国立標準技術研究所（NIST）も、キュリーの使用を避けるように強く呼びかけています。

計量法における位置付け

日本の計量法では、キュリー、ラド、レントゲン、レムの4つの単位が法定[[計量単位]]として認められています。しかし、これらの単位は計量制度審議会の資料（2005年）において「暫定的使用」と位置づけられています。これは、国際的な動向に合わせて、将来的にはSI単位であるベクレルに移行していくことを示唆しています。

その他

キュリーという単位名称は、放射線研究の先駆者であるピエール・キュリーとマリ・キュリー夫妻に由来します。彼らの功績を称え、放射能の単位として名前が使われるようになりました。

キュリーは、放射能の単位として歴史的に重要な役割を果たしましたが、現在では国際単位系との整合性や実用性の観点から、ベクレルに取って代わられつつあります。しかし、計量法においては、暫定的に使用が認められており、一部の分野ではまだ利用されています。

まとめ

キュリー（Ci）は放射能を表す非SI単位。
1キュリーは3.7×10^10ベクレルに相当。
国際的にはベクレル（Bq）が主流。
計量法では暫定的に法定[[計量単位]]として認められている。
* 単位名はキュリー夫妻に由来。

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