ラド

ラド (rad) とは

ラド（rad）は、CGS[[単位系]]における吸収線量の単位であり、物質が放射線からどれだけのエネルギーを吸収したかを示すものです。具体的には、1ラドは0.01グレイ（Gy）に相当します。radは「radiation」または「radiation absorbed dose」の略称です。

ラドの位置づけ

国際単位系（SI）においては、ラドは全く言及されていません。日本の計量法では、法定[[計量単位]]として認められているものの、SI単位であるグレイ（Gy）を使用することが推奨されています。また、アメリカ国立標準技術研究所（NIST）は、ラド、キュリー、レントゲン、レムの使用を避けるよう強く勧告しています。

単位記号

ラドの単位記号は「rad」ですが、角度の単位であるラジアンの記号も「rad」であるため、混同を避けるために「rd」が使われることもあります。

ラドの定義

ラドの定義は、計量法でもSIでも、グレイの1/100です。グレイは、「電離放射線の照射により物質1キログラムにつき1ジュールのエネルギーが与えられるときの吸収線量」と定義されるため、ラドは「電離放射線の照射により物質1キログラムにつき0.01ジュールのエネルギーが与えられるときの吸収線量」となります。

この定義には、歴史的な背景があります。当初、ラドはネズミを殺すのに必要なX線の吸収線量として定義されました。1918年にS.Russによって定義されましたが、実際にネズミを殺すには1ラドでは全く足りません。

日常的に浴びる放射線量は、ラド単位では非常に大きな数値になるため、ミリラド（mrad）やマイクロラド（µrad）といったより小さな単位がよく使われます。

計量法におけるラド

日本の計量法では、ラドはキュリー、レントゲン、レムとともに、放射能に関する法定[[計量単位]]として認められています。しかし、これらの単位は計量制度審議会の資料（2005年）において、暫定的に使用される単位として位置づけられています。

まとめ

ラドは、CGS[[単位系]]に属する放射線の吸収線量を表す単位です。国際的にはSI単位であるグレイの使用が推奨されていますが、日本では計量法によって法定単位として認められています。ただし、その使用は暫定的なものとされています。日常生活では、ミリラドやマイクロラドといった補助単位が用いられることが多いです。

関連項目

グレイ (単位))
キュリー (単位))
レントゲン (単位))
レム

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