キューバと北朝鮮の関係

キューバと北朝鮮の関係

キューバと朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）は、長年にわたり緊密な関係を維持しています。両国は1960年8月29日に外交関係を樹立し、互いの首都に大使館を設置しています。キューバは平壌に大使館を、北朝鮮はハバナに大使館を置いています。

歴史的背景

キューバは北朝鮮の最も一貫した同盟国の一つであり、両国は社会主義国家として共闘してきました。北朝鮮のメディアは、キューバ人を「社会主義の同志」として描き、両国間の強い絆を強調しています。

冷戦時代、キューバと北朝鮮はアメリカの勢力に対抗するという共通の立場から連帯を深めました。1960年、当時キューバ政府の大臣であったチェ・ゲバラは北朝鮮を訪問し、その社会主義体制をキューバが模範とすべきモデルだと称賛しました。1968年には、ラウル・カストロが両国の見解は「すべてにおいて完全に同一である」と述べています。また、キューバの指導者フィデル・カストロは1986年に北朝鮮を訪問し、両国の友好関係を強調しました。

キューバは、1988年のソウルオリンピックをボイコットすることで北朝鮮との連帯を示した数少ない国の一つです。フィデル・カストロは、1980年代に金日成から「1セントも請求せずに10万発のAK-47ライフルと弾薬を送ってくれた」という逸話を語っています。この出来事は、両国間の深い信頼関係を表しています。

2013年には、北朝鮮の貨物船「清川江号」がパナマ運河でキューバからの武器を運んでいたことが発覚しました。しかし、この船は後に北朝鮮政府に返還されました。

2016年、北朝鮮とキューバは物々交換システムを導入し、経済協力の新たな形を模索しました。同年には、朝鮮労働党とキューバ共産党が会合を開き、関係強化について協議しました。2016年にフィデル・カストロが死去した際には、北朝鮮政府は3日間の追悼期間を設け、公式代表団を葬儀に派遣しました。金正恩も平壌のキューバ大使館を訪れ、カストロへの哀悼の意を示しました。

2018年には、国家評議会議長のミゲル・ディアス＝カネルが北朝鮮を訪問し、社会主義連帯と制裁反対を強調しました。2021年には、金正恩がディアス＝カネルの誕生日に花籠を送るなど、両国間の友好的な関係が維持されています。

外交使節

駐朝キューバ大使

ヘルマン・エルミン・フェラス・アルバレス
ヘスス・デ・ロス・アンヘレス・アイセ・ソトロンゴ (2015年～、信任状捧呈は12月21日)

駐キューバ北朝鮮大使

張正煥（チャン・ジョンファン）
朴重国（パク・チョングク）

参考文献

Castro, Fidel; Kim Il-sung (1986). Unbreakable brotherly friendship and solidarity between Korean and Cuban peoples: Comrade Fidel Castro Ruz on a visit to the Democratic People's Republic of Korea, March 8 to 11, 1986 [speeches by Fidel Castro and Kim Il-sung]. Pyongyang: Foreign Languages Publishing House. OCLC 877158604

関連項目

アジア・アフリカ・ラテンアメリカ人民連帯機構


この文章は、キューバと北朝鮮の長年にわたる密接な関係、歴史的背景、外交使節、そして両国間の連帯を示す出来事について包括的に解説しています。両国は社会主義という共通の理念に基づき、政治、経済、文化など多岐にわたる分野で協力関係を築いてきました。

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