キューピットバレイ

概要

キューピットバレイは、新潟県上越市安塚区に位置するウインターリゾート施設です。関田山脈に属する菱ヶ岳（標高1129m）の北側斜面を利用しており、日本有数の豪雪地帯ならではの豊かな積雪量を誇ります。湯沢・魚沼エリアと信州・妙高エリアのほぼ中間に位置し、都心からのアクセスにはやや時間を要するものの、周辺に他のスキー場が少ないため、比較的落ち着いた環境でスキーやスノーボードを楽しむことができます。このスキー場の大きな特色の一つは、ゲレンデの山頂から遠く日本海を望むことができる壮大な景観です。

ゲレンデとコース

ゲレンデは菱ヶ岳の斜面に展開しており、豊富な自然雪に恵まれています。全コースでスノーボードの滑走が可能です。過去には夜間営業も実施されていました。

主なコース一覧

ラメールコース
マリオネットコース
エトルコース
ソレイユ上級コース
ソレイユコース
エトワールコース
プロムナードコース
メモワールコース
センターゲレンデ

施設

スキー場には、滑走をサポートする各種リフトや、休息・食事を提供するセンターハウス、温泉施設など、利用者が快適に過ごすための施設が整えられています。

リフト

ゴンドラネージュ (1基、運休中): かつてセンターハウスから山頂まで一気にアクセスできる主力リフトでしたが、現在は運行していません。
クワッドリフト (2基): 第1クワッドはセンターハウスからゲレンデ中腹へ、第2クワッドは中腹から菱ヶ岳方面へと、滑走エリアの中心をカバーしています。
ペアリフト (2基、うち1基運休): 第3ペアはセンターゲレンデに沿って設置されており、過去のナイター営業時に利用されていました。第4ペアは現在運行を休止しています。

その他の施設

センターハウス: スキー場の中心施設として、チケット販売やレンタル、レストラン機能などを提供します。
久比岐野: リゾート内に設けられた温泉施設で、滑走後の疲れを癒やすことができます。
雪室: 地域の特性を活かした雪の貯蔵庫があり、夏季には「雪室コンビニ」として利用されるほか、冷房や農産物の貯蔵にも活用されています。
休館・休止中の施設: ふれあい昆虫館（雪冷房併設）、ゆきだるま温泉雪の湯、サマーボブスレー、DJ Studio、パークゴルフ、テニスコート、キャンプ場（旧称：棚田動植物公園）など、過去に運営されていた一部施設は現在、休止または休館となっています。

アクセス

公共交通

北越急行ほくほく線「虫川大杉駅」から南へ約14kmの距離に位置します。冬季シーズンには、同駅からスキー場までシャトルバスが運行されます。また、市営バス「須川」バス停からは徒歩約10分です。平日を中心に安塚区中心部からの路線バスが運行されており、一部時間帯はデマンドバスでの運行となります。

自動車

高速道路を利用する場合、北陸自動車道「上越IC」から約33km、関越自動車道「六日町IC」から約60kmです。地域高規格道路である上越魚沼地域振興快速道路を利用する場合は、「安塚IC」から約13kmでアクセス可能です。

周辺施設

スキー場近隣には、「雪だるま物産館」として知られる道の駅雪のふるさとやすづかがあり、地域の特産品などを購入できます。

沿革

キューピットバレイの歴史は、1989年12月にスキー場開発を目的とした第三セクター「安塚総合開発」が設立されたことに始まります。川崎製鉄グループ（現JFEホールディングス）が主導し、当時の安塚町や熊谷組、JR西日本などが出資しました。1990年12月にはスキー場が開業し、当初は7本のコース、ゴンドラを含む3基のリフト、宿泊施設、レストラン、大規模駐車場などを備えた本格的なリゾートとしてスタートしました。翌1991年7月からは夏季営業も開始され、ゴンドラ運行のほか、パラグライダー場やマウンテンバイク、パターゴルフなど、グリーンシーズンの多様なアクティビティも提供されました。

しかし、開業から数年を経て収益が悪化し、1999年には主要出資者であった川崎製鉄がスキー場を安塚町（現上越市）に寄付する形で運営から撤退しました。これを受け、安塚町が株式の98%を出資する新たな第三セクター「キューピットバレイ」が設立され、運営が引き継がれました。その後、2013年には持株会社「J-ホールディングス」が設立されるなど、経営体制に変更がありました。2016-2017シーズンからは、首都圏を中心に複数のスキー場を運営するスマイルリゾートグループとの提携が始まりました。

近年では、2020年3月に、当時の指定管理者であった株式会社キューピットバレイ（上越市の第三セクター、Jホールディングスグループ企業）が、記録的な暖冬少雪と新型コロナウイルスの影響により解散することが報じられました。同年5月には、スマイルリゾートが新たな運営会社となることが内定したと伝えられ、今日に至っています。

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