キュー・テック

株式会社キュー・テックについて

株式会社キュー・テック（Q-TEC, INC.）は、かつて存在した日本のポストプロダクション会社で、多彩な映像制作業務を展開していました。1981年に設立されたこの企業は、主にVTR編集、オフライン編集、ノンリニア編集、MA、Blu-ray Discのオーサリングといった領域で活動を行っていました。2022年10月1日には、同じくメモリーテック・ホールディングス傘下の株式会社ポニーキャニオンエンタープライズと合併し、新しい会社「株式会社クープ」を設立しました。この合併により、キュー・テックは「キュー・テックスタジオ」として新たな形での活動をスタートさせました。

沿革

キュー・テックの歴史は1981年にまで遡ります。パイオニアがレーザーディスクの普及を目的にレーザーディスク株式会社を設立した際、音響・映像編集スタジオも設けられました。1989年にこのスタジオが独立し、キュー・テックが誕生しました。2004年にはパイオニアから独立し、2007年からはメモリーテック株式会社の系列企業となりました。2008年にはアジア初となる3Dプレビューシステムの導入を実現し、それ以降も3D映像技術の分野での成長を続けていきました。

2019年にはドルビービジョンに対応したコンテンツ制作を開始し、2022年の合併に至っています。

事業内容

キュー・テックは、映像の企画や制作から撮影、編集、オーサリング、フィルムスキャンなど幅広い業務を手掛けていました。特に注力していたのが、3D映像やBlu-ray Discの制作です。彼らの編集プロセスでは、Smoke、Flame、Inferno、Avidなどのノンリニア編集システムが用いられ、CMや劇場映画、テレビアニメの編集に対応していました。

主要技術

キュー・テックの技術には、7.1chおよび5.1ch対応のマルチチャンネルサラウンドMIX技術や、Ultra HD Blu-rayの対応などがありました。また、毎月240タイトル前後のDVDオーサリングも行っており、作品の編集・リマスターを通じて高品質なオーサリングを実現していました。

独自の3D撮影や2D-3D変換技術も持ち合わせており、その成果は国際3Dアワード受賞歴にも反映されています。さらに、FORSブランドの取り組みとして高品質なマスタリング技術を採用し、音質や画質の向上に努めていました。

代表的なプロジェクト

キュー・テックには多くの著名作品があり、テレビアニメや劇場映画の予告編制作も積極的に行っていました。たとえば、『劇場版ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』や『Just_Because!』の特番制作も手掛けた他、『Fate Project 大晦日TVスペシャル2018』など、多くの作品でクレジットされています。

結論

株式会社キュー・テックは、多様な映像制作技術を誇る企業であり、特に3D映像制作やBlu-rayオーサリングにおいて一定の評価を得ていました。2022年の合併により新たなステージに進むこととなりましたが、その影響は映像制作業界に残り続けることでしょう。

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