キョンシー (2013年の映画)

キョンシー（Rigor Mortis）

2013年に公開された『キョンシー』は、香港出身の監督ジュノ・マックによるダーク・ホラー作品で、過去の人気作『霊幻道士』を新しい形で蘇らせました。清水崇がプロデューサーとして参加し、映画はアートと恐怖を交えながら新たなストーリーを展開します。この映画は日本でも活発に紹介されており、2013年に開催された第26回東京国際映画祭では『リゴル・モルティス／死後硬直』という邦題で上映されました。さらに、シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2014でも『キョンシー』のタイトルで公開され、広く注目されました。

ストーリー概要

物語の中心には、かつてアクションスターとして名を馳せたチン・シュウホウがいますが、時が過ぎるにつれて彼は落ちぶれ、家庭を失い、死に場所を求めて幽霊の噂が絶えない団地へと足を運びます。そこで彼が2442号室に入り、終わりを求めて首を吊る瞬間、双子姉妹の悪霊が彼に取り憑きます。その瞬間に、道士のヤウが彼を救出。ヤウは世代を超えた霊幻道士の家系に生まれ、その存在を維持しようと努力しますが、時代の流れと共にキョンシーが姿を消し、道士としての仕事を見失ってしまい、安食堂の店主として生計を立てる日々が続いていました。

チンは団地内で、2442号室の以前の住人フォンと彼の息子パクと出会います。フォンはこの部屋で起きた恐ろしい出来事に苦しんでおり、チンとの交流を通じて徐々に心の扉を開いていきます。団地にはもう一組の老夫婦が静かに暮らしており、裁縫が得意なムイと彼女の夫トンです。しかし、トンが不慮の事故で亡くなったことで、ムイは悲しみに苛まれます。彼女は再び夫と会うべく、道士ガウに復活を依頼します。ガウは双子の悪霊の力を利用し、トンを復活させることに成功しますが、トンは制御不能の凶暴なキョンシーとして現れます。

チンはヤウの道術の力を借り、キョンシーとの壮絶な戦いに挑むことになります。この戦いは、彼が過去をどのように受け入れていくのか、そして周囲の人々との絆をどう築いていくのかの試練でもあります。

キャストとスタッフ

映画には、チン・シュウホウのほかにも、アンソニー・チェン、チョン・ファ、リチャード・ン、ビリー・ラウなど、霊幻道士シリーズでおなじみの俳優たちが出演しています。また、映画の主題歌には『霊幻道士』の代表的な挿入歌『鬼新娘』が使用されており、各所にオマージュが込められています。

ジュノ・マック監督は本作をリメイクやリブートではなく、愛情をこめた「リビジット（再訪）」として距離感を持ちながら制作に挑みました。実は、リッキー・ホイに道士役での出演オファーをする計画もありましたが、彼の急逝により実現しませんでした。初めにフォン役が予定されていたポーリン・ウォンが手術による欠席となり、クララ・ワイへと変更されたことも、制作における様々な波瀾を物語っています。

『キョンシー』は、かつての作品を敬いつつ新たな視点から恐怖を描く作品で、多くのファンに愛されることとなりました。

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