霊幻道士

概要

『霊幻道士』（原題：殭屍先生、英題：Mr. Vampire）は、1985年に公開された香港の映画で、サモ・ハン・キンポーが監督し、主演も務めています。この作品は、19世紀中期から20世紀初頭の中国を舞台にしたアクションホラーコメディであり、特に「キョンシー」と呼ばれる中国の妖怪を題材にしています。特撮とカンフーアクションが融合し、ユーモラスな要素も盛り込まれているため、観客にとって非常に楽しめる内容となっています。

この映画は、1980年に公開された別の香港映画『妖術秘伝・鬼打鬼』を基にしており、「キョンシーホラー」という新たなジャンルを確立するきっかけとなりました。その後、シリーズ化されることで多くの関連作品が製作され、特に香港、台湾、日本などで大ヒットを記録しました。

ストーリー

物語は、道士のカオが街の富豪であるヤンから、先代である父親の改葬を依頼されるところから始まります。しかし、墓を掘り起こすと、埋葬されて20年間経っても遺体は全く腐っていませんでした。この異常な状況を前に、カオは風水に誤りがあったためにヤンの父親がキョンシー化しかけていることに気付くのです。カオは遺体を引き取るものの、弟子のミスによって遺体は完全にキョンシーとなってしまいます。

その晩、キョンシーと化したヤンの父がヤンを襲って命を奪った結果、保安隊長ウェイの誤解により、カオは殺人容疑で逮捕されてしまいます。物語は、彼の無実を証明しながら、さまざまな霊的な問題を解決する過程を描いています。

登場人物

道士カオ / ガウ（九叔）

口コミの高い優秀な道士で、厳格に弟子たちを指導しています。老齢でありながらも、武術と法術に優れた手腕を持っています。弟子とのコンビネーションによる戦闘で、様々な妖怪やキョンシーとの戦いに挑む姿が見どころです。

サンコー / セン（生哥／秋生）

カオの弟子の一人で、特に体術に優れています。キョンシーとの戦いでは高いカンフーアクションを披露しつつ、どこかいたずら好きな性格が特徴的です。

モンチョイ / モン（文才）

カオの住み込み弟子で、主に霊廟の世話を担当しています。恋愛面での成長も描かれ、物語の中で重要な役割を果たします。

ティンティン / ティン（任婷婷）

物語の鍵を握るヤンの娘で、父を失う悲劇を背負っています。彼女の強い意志がストーリーの展開に影響を与えることになります。

スタッフ

本作はサモ・ハン・キンポーが製作に関わり、脚本はバリー・ウォンとシートゥ・チャホンによって手掛けられました。音楽も特徴的で、劇中の雰囲気を一層引き立てる要素となっています。

用語解説

「キョンシー」は、恨みや怨念を残して死んだ者が成仏できずに蘇ったもので、凌ぎを削る道士たちとの戦いが要となります。道士たちは、キョンシーを専門的に扱う仕事を担い、それに伴う法術や体術を駆使して様々な困難に立ち向かいます。

結論

『霊幻道士』は、伝統的な中国の妖怪文化を基にしながら、アクションとコメディ、ホラーを絶妙に組み合わせた作品です。ジャンルを超えて多くの人々に愛され、映画史に名を刻んだ名作と言えるでしょう。

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