キラヤ科

キラヤ科（Quillajaceae）は、キラヤ属（Quillaja）のみで構成される小さな科であり、2〜3種が知られています。クロンキスト体系ではバラ科の一属として分類されていましたが、分子系統学的研究の進展により、マメ科との近縁性が明らかになり、APG分類体系ではマメ目内の独立した科として扱われています。

キラヤ属の植物は、南米の温暖な地域に自生する常緑性の小高木であり、高さは25メートル程度まで成長します。花は、5枚の花弁と萼を持ち、特徴的な大きな蜜槽を有しています。蜜槽の上下にはそれぞれ5本の雄蕊が配置され、雌蕊は5つに分かれており、それぞれがマメ科の植物に似た細長い袋果を形成します。

特に、Quillaja saponaria は、樹皮にサポニンを豊富に含んでいることで知られています。サポニンは天然の界面活性剤として作用し、古くから南米地域では薬用や石鹸の代わりとして利用されてきました。現代では、その乳化作用を利用して、化粧品や食品などの幅広い分野で利用されています。食品添加物としても認められており、既存添加物として使用されています。

キラヤ科の植物、特に Quillaja saponaria は、その多様な用途から、人々の生活に深く関わってきた植物と言えるでしょう。

関連項目

バラ科
マメ目

外部リンク

キラヤ科 (NCBI Taxonomy) (英語)
キラヤ科 (GRIN) (英語)

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