キルワ・マソコ

キルワ・マソコの概要

キルワ・マソコ（Kilwa Masoko）は、タンザニアのリンディ州に位置する町で、キルワ県の県庁所在地です。2012年のデータによれば、人口は13,601人です。この町から4キロ南には、キルワ島と呼ばれる遺跡の島が浮かんでおり、歴史的な重要性を持っています。キルワという名前は「市場のキルワ」を意味し、この地は19世紀初頭にキルワ島からアフリカ大陸へ移住した人々によって築かれました。

経済の発展

キルワ・マソコでは、地域の観光業が重要な経済基盤になっています。特に、キルワ・キシワニとソンゴ・ムナラの遺跡群は、多くの観光客を惹きつけています。これにより、南アフリカやドイツからの投資を受けたロッジや宿泊施設が整備されており、観光客の宿泊ニーズに応える形となっています。カジキ漁も盛んで、多くの釣り愛好家がこの地域を訪れています。

交通の発展

過去には、キルワ・マソコとダルエスサラームを結ぶ道路は非常に悪路で、片道10時間以上を要することもありました。時には2日かけて移動しなければならないこともあったのです。移動の際には必ずルフィジ川を渡る必要があり、渡し舟の定員が少ないうえに壊れやすく、故障した場合は大きな迂回路を取らなければなりませんでした。そのため、雨季にはキルワ・マソコが周囲から孤立してしまうこともありました。

しかし、2004年にはこのルフィジ川に橋が架けられたため、交通事情が大きく改善されました。道路の舗装も進み、移動時間が6時間に短縮され、より便利にアクセスできるようになりました。現在、キルワ・マソコには1日2便以上の定期便が発着する飛行場も整備され、ダウ船が寄港する小さな港も存在します。これにより、地域への交通がますます便利になりました。

参考文献

• - 加藤正彦「キルワマソコ」『世界地名大事典』3収録（朝倉書店, 2012年11月）
• - 栗田和明、根本利通編著『タンザニアを知るための60章』（エリア・スタディーズ, 明石書店, 2006年7月）
• - 『ユネスコ世界遺産 12（中央・南アフリカ）』（ユネスコ世界遺産センター監修, 講談社, 1997年3月）

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