キンカン素人民謡名人戦

『キンカン素人民謡名人戦』の歴史と魅力

『キンカン素人民謡名人戦』（キンカンしろうとみんようめいじんせん）は、1961年2月14日から1993年5月29日までフジテレビ系列で放送された、日本の民謡をテーマにした歌謡番組です。金冠堂（キンカン本舗）の一社提供によって運営され、視聴者が参加できる形で普及しました。特に民謡への愛情を持つ金冠堂創業者の山﨑榮二が、この番組の立ち上げを実現し、自らも番組に深く関与していました。

番組の構成と放送形式

この番組は、毎回選ばれた6人の出場者によって行われ、審査員の評価を受けて競い合う形式でした。出場者はそれぞれ地元のFNS系列局を象徴するバッジを身につけ、地域の民謡を披露します。審査員たちは4人で構成され、出場者のパフォーマンスを評価し、合計得点の高い2名が次のラウンドに進出します。

番組の初期は東京タワーにあるサテライトスタジオからの公開生放送でしたが、後にフジテレビの放送センターに場所を移し、通常は録画放送となりました。しかし生放送も行われ、特に重大ニュースがある際には、司会者がリアルタイムで情報を知らせることもありました。

放送時間と番組移動

放送は当初火曜日の午後2時からスタートし、その後土曜日へ移動しました。その後も時間帯は何度か変更され、最終的には土曜日の朝8時からの放送となったのが特徴です。このような移行の中で、番組は視聴者に親しみを持たれていきました。

番組の人気を反映して、1988年には特別番組『フジテレビ30年史』で取り上げられたこともありました。長期にわたる放送期間の中で、出場者たちは毎週さまざまな民謡を披露し、視聴者との交流を図りました。

特別な内容とエンディング

夏季には、子供たちが出場する特集も設けられ、視聴者全体が楽しまれるよう工夫が施されていました。また、番組のエンディングには、三和司会者の早口での締めの挨拶が印象的でした。観客の拍手とともに、山﨑社長がカメラに向かってお辞儀をするシーンが定番となり、視聴者に親しみを与えました。

後継番組への移行

1993年には『キンカン民謡セレクション』がスタートし、続いて『キンカン民謡ふるさとめぐり』が放送されるなど、民謡シリーズは34年以上にわたり親しまれました。特に『キンカン民謡ふるさとめぐり』は、金冠堂が提供した民謡番組としての流れを引き継ぎました。放送ライブラリーで、番組の特別分が視聴できるように保存されていることも、この番組の価値を教えてくれます。

終わりに

『キンカン素人民謡名人戦』は、民謡の魅力を広めるだけでなく、視聴者との相互作用も重視した貴重な番組でした。その放送期間中に構築された思い出は、多くの人々の心に残り続けています。

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