キンカーディン伯爵

キンカーディン伯爵位

キンカーディン伯爵（Earl of Kincardine）は、スコットランドの貴族制度において重要な伯爵位の一つです。この称号は1647年にエドワード・ブルースによって初めて授与され、その後の世代たちがこの歴史的名誉を受け継いできました。特に1747年以降はエルギン伯爵位と合わせて継承されることになり、より深い歴史的意義を持つようになりました。

歴史的背景

キンカーディン伯爵位は、エドワード・ブルースが1647年12月26日に授与されたことで始まります。彼は、ブルース氏族の一員であり、スターリング選挙区選出のスコットランド議会議員でもありました。この際、伯爵位と共にトーリーのブルース卿の地位も同時に与えられ、これら二つの爵位はその後男子相続人（his heirs male）によって継承されるという規定が設定されました。

初代伯エドワード・ブルースが子供を持たずに亡くなると、弟のアレグザンダーが2代伯爵としてその地位を引き継ぎます。そして、2代伯が亡くなると、彼の息子が3代伯爵となりましたが、この3代伯にも子供がいなかったため、1705年に亡くなった後は、初代および2代伯の従兄弟であるアレグザンダーが4代伯爵を継承しました。4代伯爵もまたスコットランド議会の議員として活躍していました。

その後、4代伯爵の息子たち（5代伯ロバート、6代伯アレクサンダー、7代伯トマス）は、兄弟の間で複雑な相続を繰り返しました。1739年から40年にかけて7代伯が亡くなった後、彼の息子であるウィリアムが8代伯爵となり、その後すぐに彼も死亡します。その息子チャールズが9代伯を継承し、彼は1747年に遠縁からエルギン伯爵位を受け継ぎました。

エルギン伯爵との関連

エルギン伯爵位は、1633年に第3代キンロス卿トマス・ブルースによって授与されたものであり、継承者は「ブルースの名と紋章を持つ男子相続人」に限定されるという特別な規定を有しています。このため、初代を遡り、キンカーディン伯爵位をもその継承者にすることができました。以降、キンカーディン伯爵とエルギン伯爵は同一の継承者を持つ関係となり、互いの歴史的背景が深く結びついていきます。

キンカーディン伯爵の系譜

1. 初代キンカーディン伯エドワード・ブルース（1647年 - 1662年）
2. 2代キンカーディン伯アレグザンダー・ブルース（1629年頃 - 1680年）
3. 3代キンカーディン伯アレグザンダー・ブルース（1666年頃 - 1705年）
4. 4代キンカーディン伯アレグザンダー・ブルース（不詳 - 1706年）
5. 5代キンカーディン伯ロバート・ブルース（不詳 - 1718年）
6. 6代キンカーディン伯アレクサンダー・ブルース（1662年 - 1721年）
7. 7代キンカーディン伯トマス・ブルース（1663年 - 1740年）
8. 8代キンカーディン伯ウィリアム・ブルース（1710年 - 1740年）
9. 9代キンカーディン伯/5代エルギン伯チャールズ・ブルース（1732年 - 1771年）
10. 10代キンカーディン伯/6代エルギン伯ウィリアム・ロバート・ブルース（1764年 - 1771年）
11. 11代キンカーディン伯/7代エルギン伯トマス・ブルース（1766年 - 1841年）
12. 12代キンカーディン伯/8代エルギン伯ジェイムズ・ブルース（1811年 - 1863年）
13. 13代キンカーディン伯/9代エルギン伯ヴィクター・アレグザンダー・ブルース（1849年 - 1917年）
14. 14代キンカーディン伯/10代エルギン伯エドワード・ジェイムズ・ブルース（1881年 - 1968年）
15. 15代キンカーディン伯/11代エルギン伯アンドルー・ダグラス・アレグザンダー・トマス・ブルース（1924年 - 現在）

法定推定相続人は長男のブルース卿、チャールズ・エドワード・ブルース（1961年生まれ）となっています。キンカーディン伯爵位の歴史は、スコットランドの貴族制度の中で特に興味深いラインを描いており、今もなお多くの人々に知られています。

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