キング (駆逐艦)

USS King (DD-242)について

USS King（DD-242）は、アメリカ海軍に所属する駆逐艦で、クレムソン級の一隻です。この艦名は、フランク・レーガン・キング中佐に由来しています。キングの艦歴は、1919年4月28日、ニューヨーク造船所での起工から始まりました。1920年10月14日にオーレーン・A・キングにより進水し、12月16日にはR・C・スミス少佐の指揮下で正式に就役しました。

初期の任務と地中海巡航

就役後、キングは大西洋沿岸で調整訓練を行い、1921年10月2日にハンプトン・ローズを出航し、初めての地中海巡航に向かいました。この航海中、11月8日にトルコのスマーナに到着し、300人のギリシャ難民を受け入れ、レスボス島のミティリニへ送るという人道的活動を行います。その後、キングは1923年6月までトルコ水域に留まり、クリミア半島危機においても重要な役割を果たしました。

継続的な活動と訓練

1923年から1930年まで、キングは大西洋偵察艦隊の一員として、艦隊演習や予備役兵の訓練巡航を大西洋およびカリブ海で行いました。また、1925年にはハワイでの演習のため太平洋に出航し、1927年の春にはニカラグア水域を偵察し、同国の内戦におけるアメリカ人の保護や権益の防衛にも寄与しました。1931年には予備役となりますが、1932年に再就役し、以降6年間はカリフォルニアを拠点に中央太平洋で活動しました。

第二次世界大戦への再出動

1939年9月26日、世界が激動する中でキングはE・E・バーソルド海軍少佐の指揮のもと再び就役します。11月にはカリブ海で中立パトロールに従事し、1940年にはボストンからキーウェストまでの偵察巡航を行いました。太平洋戦争が始まると、キングは西海岸沿いのパトロールや船団護衛任務に従事し、戦争の早い段階から重要な役割を果たしました。

アリューシャン列島での戦闘任務

太平洋戦争開戦から5ヶ月間、キングは西海岸でのパトロールや護衛任務を行い、1942年5月22日にメアアイランドを出航。第8任務部隊に参加し、アリューシャン列島での船団護衛や対潜哨戒任務に従事します。特に6月3日にはダッチハーバーに到着してから、夏の間はアリューシャン列島で活発な活動を繰り広げます。キングはキスカ島への砲撃も行い、1943年12月22日にはサンフランシスコへ向かいました。

終戦後の活動と最終的な退役

オーバーホール後は西海岸沖での偵察艦任務および対潜哨戒任務に従事し、第二次世界大戦の残りの期間を過ごしました。終戦後の1945年8月28日にはトレジャー・アイランドを出航し、9月20日にフィラデルフィアに到着。その後、1945年10月23日に退役し、1946年9月29日にはボストン・メタルズ社に売却されます。その戦功により、キングは1個の従軍星章を受章しました。

キングの歴史は、アメリカ海軍の発展と戦争における艦艇の重要性を物語るものであり、彼の活躍は海軍の歴史に刻まれることとなります。

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