キングアブドゥルアジーズ競馬場

キングアブドゥルアジーズ競馬場

キングアブドゥルアジーズ競馬場（アラビア語: ميدان الملك عبد العزيز للفروسية‎）は、サウジアラビアの首都リヤドに位置する重要な競馬場です。1965年に最初のマラト競馬場が開設されましたが、競走馬術の広場としての役割を果たすには規模が不十分であり、周辺の住宅開発により馬の移動にも支障が生じました。これを受けて、当時のアブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ王太子（後の第6代アブドゥラー国王）は、新たにリヤド・ジャナドリーヤに競馬場を移設・建設するよう指示しました。

2003年1月に完成した新施設は、キングアブドゥルアジーズ競馬場として正式に開場し、サウジアラビア国内で最大の競馬場となりました。この競馬場では、サウジアラビアジョッキークラブが主催する競馬が、毎年9月から翌年の4月にかけて開催されています。

コースの特徴

競馬場は約2,000メートルの周回コースで、幅は24メートルのダートコースを備えています。レースは左回りで行われ、ダートコースの内側にはトレーニング用のダートコースも設置されています。また、2020年1月には、1周1,800メートルの芝コースも新たに設けられました。

国内および国際競走

キングアブドゥルアジーズ競馬場で開催される競走の中でも特に注目されるのが、ローカルG1の「キングアブドゥルアズィーズカップ（King Abdulaziz Cup）」です。これは1,600メートルの距離で行われ、国内で非常に人気のあるレースの一つです。

また、「ジャパンカップ」は、日本中央競馬会（JRA）東京競馬場との交換競走として位置づけられています。この競走では、日本の文化や競馬技術が紹介され、在サウジアラビア日本国大使が観戦することでも注目を集めています。

国際的なレースも数多く行われており、特に「サウジカップ（The Saudi Cup）」は2020年に創設されたばかりの国際G1競走です。このレースの賞金総額は2,000万米ドル（約21億6,000万円）で、1着賞金は1,000万米ドル（約10億6,000万円）という世界的に見ても最高額の賞金を誇ります。

サウジカップデーでは、サウジカップの他にも複数の国際レースが同日に開催され、注目されるイベントとなっています。これにはアラブ馬限定レースや、サウジアラビア調教馬が参加するレースなども含まれています。

騎手招待競走

さらに、キングアブドゥルアジーズ競馬場では「インターナショナルジョッキーズチャレンジ」という騎手招待競走も行われます。このイベントには、男女各7名、合計14名の騎手が招待され、全4レースの結果によってポイントを競います。近年では日本の騎手も参加しており、特に藤田菜七子が2021年に出場し、4位入賞を果たしました。

スポーツ複合施設

この競馬場は単なる競馬施設ではなく、スイミングプールやテニスコート、スカッシュコート、アリーナなど、多種多様なスポーツを楽しむことができるスポーツコンプレックスとしても機能しています。これにより、競馬以外にもさまざまなカルチャーやスポーツのイベントが行われ、地域の人々にも愛されています。

キングアブドゥルアジーズ競馬場は、サウジアラビアの競馬文化への影響を強く持つ重要な施設として、その歴史とともに今後も発展していくことでしょう。

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