キングストン (ジャマイカ)

キングストン（Kingston）

キングストンは、カリブ海のジャマイカに位置する首都であり、同国最大の都市です。南東部の湾に面し、背後には有名なブルーマウンテン山脈がそびえ、自然の美しい眺めが広がります。都市自体は、約100万人の人口を抱え、商業施設やビジネスホテルが立ち並ぶ活気あるエリアです。

この地は特にレゲエ音楽の発祥地として名高く、貧困層の人々が住むトレンチタウンでこの音楽スタイルが生まれました。1976年には、国際通貨のアメリカドルの変動相場制がキングストンで承認され、国際的な商業活動がさらに活発化しました。

キングストンは、ニュー・キングストンとダウンタウンの二つの地域に分かれており、それぞれ異なる顔を持っています。しかし、治安面においては懸念があり、首都圏の殺人事件発生率は日本と比べて非常に高く、外務省は訪問者に対して注意を促しています。

歴史

キングストンの歴史は、1692年に始まりました。この年、ジャマイカ地震が発生し、当時の首都ポートロイヤルが壊滅的な被害を受けたため、生存者たちが避難場所を求め、キングストンが創設されました。当初の土地は農業に使われていましたが、生存者は臨海地帯に難民キャンプを設け、苦しい生活を余儀なくされました。

1703年には、海賊の襲撃によって再び街は襲われ、破壊寸前に追い込まれましたが、測量士のジョン・ゴフによる新たな都市計画により、格子状の街並みが整備されていきました。1716年にはジャマイカ最大の町へと発展し、商業の中心地としての地位を築きました。1729年には無償の学校が設立され、教育の場も発展していきました。

1755年には政府庁舎がスパニッシュ・タウンからキングストンに移され、行政機能も強化されました。人口は1780年には11,000人に達し、商人たちがスパニッシュ・タウンからの移転を求めるようになりました。次第に貿易が活発化し、国の発展を支える港町としての役割を果たしていきます。

1872年にスパニッシュ・タウンから正式に首都が移転し、キングストンはその地位を確立しました。しかし、その裏では様々な問題が発生し、1930年代には島全体で暴動が起こるなど、社会が不安定な時期もありました。1960年代には国際的なレゲエブームが起き、街の再開発が進められ、新しい金融機関やビジネスの中心地が形成されました。

近年の動向

キングストンは、特に2010年にはギャング団による暴力が問題視され、非常事態宣言が発令されるなど、混乱した時期がありました。しかし、いまだに様々な文化の中心としての役割を果たしており、多くのミュージシャンやアーティストがこの地にゆかりを持っています。レゲエを代表するブジュ・バントンやショーン・ポールを始めとする多くの著名人がこの街から生まれました。

交通と姉妹都市

キングストンにはノーマン・マンレー国際空港があり、国際線も多く運行されています。また、かつて存在したキングストン駅は1845年に開業されたものの、1992年に廃止となりました。

キングストンは、アメリカのマイアミやイギリスのコヴェントリー、ロシアのサンクトペテルブルクなど、世界各地の都市と姉妹都市協定を結ぶなど、国際的な繋がりも持っています。

キングストンは、レゲエ文化や歴史的な背景、そして独特の都市風景を持った魅力的な街です。

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