キングス・カレッジ・ロンドン

キングス・カレッジ・ロンドン (King's College London)

概要
キングス・カレッジ・ロンドン（略称KCL）は1829年に英国国教会によって設立された、イギリス・ロンドンの国立大学です。ロンドン大学の一員で、日本ではしばしば「ロンドン大学キングス・カレッジ」として認識されています。イングランドでは4番目に古い名門校であり、これまでに14名のノーベル賞受賞者を輩出しています。学生数は約3万人に達し、ロンドン大学の中で最大規模を誇ります。

特に、医学教育においてフローレンス・ナイチンゲールが本校で世界初の看護学校を設立したことから、看護学や歯学、さらには精神医学の分野で評判が高く、世界的な大学ランキングでも常に上位に位置しています。また、国際関係学でも高い評価を受けており、戦争学部は世界的に唯一の存在とされ、その他の防衛や外交に関する研究でも重要な役割を果たしています。さらに、キングス・カレッジ・ロンドンは日本の私立大学のモデルにもなっており、その影響は広範囲にわたります。

歴史
キングス・カレッジは1829年、ジョージ4世の勅令により設立されました。当時、オックスブリッジは特定の民族や宗教の人々を排除していたため、「万人に開かれた大学」を目指す動きが必要とされました。この背景には、哲学者ジェレミー・ベンサムが入学差別を撤廃する動きを促したことがあります。新たに設立されたロンドン・ユニバーシティはそれに対抗し、宗教的な影響を受けない大学を作ることを目指しました。これに対し、聖公会やオックスフォード、ケンブリッジ大学からの反発もありましたが、最終的にジョージ4世の勅令によりキングス・カレッジが創立されました。

キャンパス
KCLはロンドン市内に5つのキャンパスを備えています。ストランド・キャンパス、ガイズ・キャンパス、ウォータールー・キャンパス、セント・トーマス・キャンパス、そしてデンマークヒル・キャンパスです。これらはロンドン中心部やテムズ川の近くに位置し、学生に便利なアクセスを提供しています。

組織
キングス・カレッジは多様な学部から構成されており、特に人文学、自然科学、生命科学、社会科学、国際関係、戦争学など幅広い分野で教育を行っていることで知られています。特に社会科学や公共政策に関する学部もあり、国際的に影響力のある研究が展開されています。

評価
2023年のTHE世界大学ランキングで35位、QS世界大学ランキングでは37位にランクインしており、特に臨床医学や心理学の分野で上位に位置しています。また、入学難易度は非常に高く、約12%の合格率です。研究面でも、イギリスの研究機関を評価する研究成果の枠組み（REF）の評価で、高い評価を受けています。

関係者と出身者
多くの著名な学者や政治家がこの大学の卒業生として知られています。ノーベル賞受賞者には、柳本贵弘博士やフレデリック・ホプキンズ博士など、さまざまな分野で優れた業績を残した人物がいます。特に、医学や法律の分野での優れた教育は国際的に認知されています。

キングス・カレッジ・ロンドンは、その歴史とともに着実に発展を遂げ、今日も世界中から優秀な学生が集まり、学びを深めています。

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