キングフィッシュ (潜水艦)

USS Kingfish (SS-234)

USS Kingfish（SS-234）は、アメリカ海軍のガトー級潜水艦であり、その艦名は異なる魚の俗名に由来しています。1942年に進水し、太平洋戦争において多くの哨戒任務を遂行しました。キングフィッシュは12回の哨戒で、数多くの敵艦を沈め、戦争の勝利に貢献しました。

艦歴の始まり

キングフィッシュはメイン州キタリーのポーツマス海軍造船所で起工し、1942年3月2日に進水。艦長としてヴァーノン・L・ローレンス少佐が指揮をとり、同年5月20日に就役しました。就役後、ニューロンドンを出航し、8月31日に真珠湾に到着しました。

最初の哨戒（1942年9月-11月）

1942年9月9日、キングフィッシュは最初の哨戒を開始、すぐに日本近海へ向かいました。9月25日に輸送船団を発見し、魚雷を発射しましたが、艦の攻撃は一部失敗しました。続く攻撃も様々な成果を上げましたが、敵の反撃を受けたり、成功しなかったりの繰り返しでした。最終的には55日の行動を終え、ミッドウェー島に帰投しました。

第二次、第三次哨戒（1942年11月-1943年4月）

11月には2回目の哨戒任務を実施し、東シナ海で再び輸送船を狙いました。この期間に、キングフィッシュは敵輸送船を撃沈するなどの戦果を収め、1943年の初めには再び真珠湾に戻りました。特に、3月15日に行った攻撃では、台湾航路を航行していた貨客船を撃沈しました。

第四次、第五次哨戒（1943年7月-11月）

7月からはルソン島へ向かい、特に機雷敷設や重要物資の揚陸任務を加えての哨戒を行いました。10月には、インドシナ半島近海での敵艦攻撃を行い、撃沈の成果を上げました。これらの行動によって、キングフィッシュは重要な任務を果たしました。

第六次から第八次哨戒（1943年12月-1944年6月）

12月には再度の南シナ海での哨戒を行い、敵の輸送船団を攻撃します。前年の戦果を引き継ぎ、戦局における海軍の戦力を保とうとしました。5月にも同様の任務を続け、敵艦に対する圧力を継続します。

第九次、第十次哨戒（1944年10月-1945年2月）

10月から再び小笠原諸島方面の哨戒任務に就き、敵艦を見つけ次第、攻撃を行いました。目標としていた輸送船団を発見し、魚雷攻撃によって撃沈するなど、数多くの成功を収めましたが、戦局の変化から徐々に活動が厳しくなっていきました。

第十一、十二次哨戒（1945年3月-8月）

1945年3月には、キングフィッシュはウルフパックを構成し、日本近海に向かいました。沖縄戦に参加する際にも、イギリス海軍のパイロットを何度か救助しましたが、目標となる敵艦を見つけることは難しくなりました。6月には千島列島方面に向かい、最後の哨戒任務を全うしました。

戦後の運命

戦後、キングフィッシュは1946年に予備役となり、その後1960年に除籍されました。そして、アルバート・ヘラー社に売却され、スクラップとして処分されました。キングフィッシュの戦功としては、12回の哨戒で14隻の敵艦を沈め、合計48,866トンに及ぶ敵艦を撃沈したとされています。この功績により、9個の従軍星章を受章しました。

キングフィッシュの歴史は、アメリカ海軍の潜水艦戦術の一例であり、多くの戦功の背後には様々な挑戦と成果が存在しました。

もう一度検索