ミッドウェー島

ミッドウェー島の概要

ミッドウェー島（ミッドウェーとう、英語: Midway Atoll）は、北太平洋に位置するアメリカ合衆国の環礁であり、北西ハワイ諸島に属しています。約2,800万年前に形成された火山島で、位置的には北緯28度13分、西経177度22分にあり、標準時はUTC-11です。ミッドウェーという名称は、北アメリカ大陸とユーラシア大陸の中間に位置することからつけられました。現在、ほぼ唯一の有人島であり、2014年の時点で約60人が住んでいますが、ハワイ州には所属していません。

地理的特徴

ミッドウェー島は、サンド島とイースタン島を含む約6.23km²の陸地と、60.1km²の礁湖を持っています。北隣にあるクレ環礁と合わせて、環礁形成の北限として知られています。ハワイから東京への直線距離の約1/3ほどの位置にあり、ジョンストン島からは北に約1,000キロの距離です。島の特徴的な地形は、火山活動によって形成されたもので、長い時間をかけて環礁へと発展しました。

歴史

1859年、ミッドウェー島はガンビア号の船長N・C・ミドルブルックスによって発見され、彼自身の名前からミドルブルックス諸島と名付けられました。その後、1867年にアメリカ海軍による領有宣言が行われ、島はミッドウェーと改名されました。以降、島は主に軍事的な重要性が増し、第二次世界大戦中のミッドウェー海戦において、日本海軍とアメリカ海軍の間で戦闘が行われました。この戦いはアメリカに勝利したことから、戦局が大きく変わる転機となり、軍事基地としての役割が重要視されました。

冷戦時代には、ミッドウェー島はアメリカ海軍の基地として利用され、1980年代までその重要性は維持されました。1996年には軍事施設が閉鎖され、これ以降は自然保護区としての方向へ舵を切ることになりました。ミッドウェー環礁国立自然保護区に指定され、現在ではその自然環境や生態系の保護が進められています。

自然環境

ミッドウェー島は、特に海鳥の繁殖地として国際的に知られています。クロアシアホウドリやコアホウドリの最大の繁殖地では、数多くの海鳥が見られます。アジサシ類や特有の種であるレイサンマガモやレイサンヨシキリも生息しており、重要な生態系を形成しています。しかし、外来種の侵入や狩猟活動によって、多くの種が絶滅の危機にさらされています。

特に、プラスチックごみによる海洋汚染は深刻な問題で、コアホウドリが誤ってプラスチックを食べることが多発し、幼鳥の死亡率が高まっています。毎年、約20トンものごみが島に漂着しており、持続可能な自然環境を脅かしています。

現在の状況

近年、ミッドウェー島の環境保護活動は強化されており、合衆国魚類野生生物局の管理のもとで行われています。一時は観光客を受け入れていましたが、2002年以降はエコツーリズムが中止されています。現在も数十名の担当官が常駐し、自然保護活動や野生生物の監視が行われる一方で、一般人の立ち入りには制限がかけられています。

まとめ

ミッドウェー島は、その地理的特性や歴史的背景から興味深い存在であり、自然環境の保護が求められる今、アメリカ合衆国の一部として持続可能な未来が期待されています。

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