キング&バルーン

キング＆バルーン

『キング＆バルーン』は、1980年10月に日本のナムコが開発した固定画面シューティングゲームであり、アーケード市場に登場しました。このゲームは、北米ではGamePlanからも提供されました。基本的なゲームプレイは、同社の先駆的な作品『ギャラクシアン』に基づいていますが、いくつかのユニークな要素が追加されています。

ゲームの目的

プレイヤーの目標は、敵の気球（バルーン）が王様をさらっていかないように砲台を操作してそれらを撃ち落とすことです。『ギャラクシアン』に似て、敵キャラクターは空中から攻撃を仕掛けてきますが、このゲームでは王様が連れ去られるとミスと認識されるため、通常のシューティングゲームとは異なる戦略が求められます。

ゲームプレイの特徴

ゲームプレイは、城の上に設置された砲台を2方向のレバーとショットボタンで操作する形式です。各ラウンドでは、最大42機のバルーンが登場し、このバルーンをすべて撃墜することでラウンドをクリアできます。敵からの弾や体当たりによって砲台は破壊されますが、砲台は数秒で復活し、一定のペナルティは存在しません。

ゲームの最も大きな特徴は、キングと呼ばれるキャラクターが存在することです。キングは砲台の下をランダムに移動するため、バルーンに触れられると連れて行かれてしまいます。バルーンを撃ち落とすことができれば、キングは傘を広げて降りてきますが、画面外に連れ去られると一度のミスとなります。また、得点が一定以上になるとキングが1UPし、プレイヤーはさらなる楽しみを得ることができます。

バルーンの種類と得点システム

バルーンには4種類の色があり、それぞれに異なる得点が設定されています。バルーンを撃ち落とす時に、その色や編隊の形態によって得られる得点も変化します。例えば、バルーンが編隊を組んでいる際に倒すと得点が2倍になるほか、キングを連れているバルーンを倒すと3倍の得点が得られます。さらに、異なる色のバルーンが合体すると巨大なバルーンが出現し、3発打ち込むことで高得点を狙うチャンスが生まれます。

音声合成と移植版

『キング＆バルーン』は、当時としては珍しい音声合成機能を導入しており、プレイヤーはキングの叫び声を体験できます。プレイ中には「HELP! HELP!」や、「THANK YOU!」などの声が印象的に響きます。

このゲームは、1984年にはMSXに移植され、その後もさまざまなプラットフォームに展開されました。2006年の携帯電話版や、PlayStationやNintendo Switch用のアーケードアーカイブスとしてもリリースされています。また、PS4版やNintendo Switch版が2023年に配信され、現代のプレイヤーにも楽しんでもらえるようになっています。

開発スタッフ

このゲームの開発はナムコの専門家たちによって行われており、澤野和則と横山茂が企画、深谷正一がプログラミングを担当しました。音楽とサウンドは徳江晶彦、グラフィックデザインは横山茂が手掛けるなど、多くの才能が集結しています。特に、ゲームの楽しい雰囲気を演出するための工夫が随所に見られ、多くのファンに愛される作品となりました。

『キング＆バルーン』は、独特のゲームスタイルと楽しさを提供し続けるレトロゲームの中でも、特に印象深い作品の一つであり、ゲームの歴史の中でも忘れられないタイトルとなっています。

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