キンタマーニ・ドッグ

キンタマーニ・ドッグ

キンタマーニ・ドッグは、インドネシアのバリ島、キンタマーニ村を原産とする犬種です。バリ島の固有種として知られ、その歴史や特徴は、島の文化と深く結びついています。

歴史

キンタマーニ・ドッグの起源には諸説ありますが、有力な説としては、約600年前に食用としてバリ島に連れてこられたチャウチャウと、在来の犬が交配したことで生まれたというものがあります。長い年月をかけて、バリ島の環境に適応し、独自の犬種として確立されました。

現在、キンタマーニ・ドッグの約半数は、ペットまたは番犬として飼育されています。これらの犬は、純血を維持するための管理された交配が行われています。一方、残りの半数は半野良犬として生活しており、観光客や地元住民から餌をもらい、家の軒下や木陰などで休息し、子育てをしています。

飼育されているキンタマーニ・ドッグは、番犬として優れた能力を発揮します。しかし、警戒心が強いため、人に慣れるまでに時間がかかる傾向があります。半野良犬として生活している個体は、人慣れしていることが多いですが、機嫌が悪いときに触ろうとすると噛み付くことがあるため、注意が必要です。

キンタマーニ・ドッグは、そのほとんどがバリ島内で飼育されており、海外で見かけることは稀です。しかし、近年では、観光客がバリ島訪問の記念として持ち帰り、飼育するケースもわずかに見られるようになりました。

特徴

キンタマーニ・ドッグは、スピッツ系の特徴を持つ中型犬です。アーモンド形の目を持ち、耳は立っており、尾は垂れているか、巻き尾です。被毛はショートコートで、毛色はブラック、ホワイト、アプリコットなど様々です。

体高は、オスが40～55cm、メスが45～50cm程度です。性格は、愛情深く、飼い主には忠実です。また、勇敢で警戒心が強く、見知らぬ人にはなかなか心を開きません。そのため、激しく吠えることもあります。ただし、半野良犬として生活している個体は、人慣れしているため、あまり吠えない傾向があります。

キンタマーニ・ドッグと触れ合う際には、犬の表情をよく観察し、友好的な態度を示しているかを確認することが重要です。特に、半野良犬の場合は、不用意に触ると噛まれる危険性があるため、注意が必要です。

参考資料

『デズモンド・モリスの犬種事典』（誠文堂新光社）デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年

関連項目

パリア犬
チャウチャウ
バリ島
* 犬の品種一覧

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