キンバリー (DD-521)

USS キンバリー (USS Kimberly, DD-521)

USS キンバリーは、アメリカ海軍の駆逐艦であり、フレッチャー級の一隻です。この艦はルイス・キンバリー少将にちなんで名付けられ、モダンな海軍艦艇の中でも重要な地位を占めていました。キンバリーは、1942年にニューヨーク州スタテンアイランドのベスレヘム造船所で起工し、1943年に進水。指揮官ハリー・W・スミスの指導のもと、同年5月に就役しました。

第二次世界大戦における活動

キンバリーは1943年の秋、試運転を終えた後にノーフォークを経由して太平洋に進出しました。ここで追加迎撃訓練を行った後、1943年11月にはミクロネシアの作戦に参加し、ギルバート諸島での海軍艦隊の戦闘を支援しました。特に対潜水艦哨戒巡航や上陸支援任務での貢献が評価されます。1943年12月にはタラワを出航し、サンフランシスコでの修理を経てアリューシャン列島に移動。対潜部隊としての任務に従事し、1944年9月にはサンフランシスコに帰港しました。

さらに戦局が激しくなる中、キンバリーはフィリピンへの侵攻に備えてアドミラルティ諸島に派遣され、レイテ湾への護送任務を主導しました。1944年12月には神風特攻隊の攻撃を受け、艦の対空砲火で数機を撃墜する成果を上げました。このような経歴を経て、キンバリーはルソン島侵攻の配属部隊としても重要な役割を果たしました。

朝鮮戦争の再就役

朝鮮戦争が勃発すると、1951年に再び就役。グアンタナモ湾での試運転の後、韓国の西海岸支援に向かい、ここで空母の護衛や航空機哨戒に従事しました。その後、中国海域での哨戒任務を終え、1953年にノーフォークに帰還。1954年に退役しました。

中華民国海軍での運用

キンバリーはチャールストンでの予備艦隊での期間を経た後、1967年に中華民国に貸与され、安陽（アンヤン、DD-18）という名前で再び艦船として運用されました。安陽の艦番号は1970年にDD-997へ、1979年にはDDG-997に変更されました。1981年には完全な近代化改修が行われ、多くの現代的な艦器が導入され、対艦ミサイルや対空ミサイルも装備されました。これによって、安陽は新しい兵装を持つミサイル駆逐艦として機能しました。

最後の日々

これらの改修を経て、安陽は1999年まで運用され、その後退役しました。そして、2003年には潜水艦「海龍」の標的艦として沈没する運命を迎えました。彼女の歴史は、米海軍の駆逐艦として重要な役割を果たした艦船として記憶されています。

参考資料

本記事はアメリカ合衆国政府の著作物である「Dictionary of American Naval Fighting Ships」に由来する情報を含んでいます。

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