キンメフクロウ

キンメフクロウ（Aegolius funereus）

キンメフクロウは、フクロウ目フクロウ科に分類される鳥類の一種で、その名の通り金色の目が印象的なフクロウです。学名は、スウェーデンの博物学者ピーター・グスタフ・テングマルムに由来します。

分布

キンメフクロウは、北アメリカ大陸とユーラシア大陸の北部に帯状に分布しています。一部の個体は中央アジアにも生息しており、これらの地域では留鳥として一年を通して生息しています。

日本では、かつては稀な冬鳥として北海道や新潟県で数回記録されたのみでしたが、1986年に北海道の大雪山系の針葉樹林で繁殖が確認されました。現在では、3か所程度の限られた地点でのみ繁殖が確認されており、留鳥として生息していますが、その数は非常に少ないのが現状です。

形態

キンメフクロウの体長は22cmから27cm程度で、翼を広げた際の幅は50cmから62cm程度です。体色は茶色を基調とし、肩から白い模様が入っています。頭部は比較的大きく、顔は白く、黄色い目が特徴的で、どこか驚いたような表情をしています。雌雄はほぼ同色ですが、一般的にメスの方がやや大きい傾向にあります。幼鳥は全体的にチョコレート色をしています。

生態

キンメフクロウの飛行は力強く、直線的です。基本的に夜行性であり、ネズミなどの小型哺乳類を中心に、鳥類や昆虫などの無脊椎動物も捕食します。

主に茂った針葉樹林や針広混交林の奥地で生活し、木の洞を巣として利用し、3個から6個の卵を産みます。他の大型フクロウ類が活動しにくい空間を主な生息域としています。「ポ　ポ　ポ」と連続して鳴くのが特徴です。

キンメフクロウは渡り鳥ではありませんが、秋になると多くの個体が南へ移動することがあります。生息地を大きく離れることは稀ですが、繁殖期以外での観察が難しくなる要因の一つとなっています。

人間との関係

日本国内では、生息地が限定的であり、生息数も非常に少ないため、環境省のレッドデータブックにおいて絶滅危惧1A類（CR）として登録されています。森林に生息するため、森林伐採などによる生息地の減少が、個体数に大きな影響を与えることが懸念されています。 キンメフクロウの保護のためには、生息環境である森林の保全が不可欠です。

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