キ102 (航空機)

キ102についての詳細

キ102は、第二次世界大戦中の大日本帝国陸軍において開発された襲撃機および戦闘機です。この機体は、いくつかの非公式な通称を持ち、その中には四式襲撃機や五式複座戦闘機、五式双発襲撃機といった名前が含まれます。公式の記録によると、五式双となっているため、五式が正式な名称と見なされる可能性が高いです。また、連合軍では「Randy」というコードネームで呼ばれました。開発・製造は川崎航空機が担い、設計主務者は土井武夫と根本毅が務めました。

開発の経緯

1943年4月、陸軍は複座式戦闘機キ45改（二式複座戦闘機「屠龍」）の性能向上型であるキ96を試作していた川崎航空機に対し、キ96を基にした複座襲撃機の開発を指示しました。これがキ102の起源になります。さらに同年6月には、この機体を高高度戦闘機としての開発も指示され、試作名称が名付けられました。具体的には、キ102甲型が高高度戦闘機、乙型が襲撃機として開発されました。

川崎航空機では、土井技師を中心に設計が進められ、1944年1月に乙型の設計が完了し、3月には試作1号機が完成しました。甲型は同年1月に設計を開始し、4月に完成、6月には新型エンジンであるハ112-IIルを搭載した原型機のテストが始まりました。最初の試作機は乙型の原型機として予定されていましたが、甲型の審査を急ぐため、最終的には甲型の検討が行われました。

各型について

キ102乙（襲撃機型）

1944年3月にキ102乙の試作1号機が完成し、その後20機が製作されました。基本的にはキ96を複座化したものですが、エンジンナセルがよりスリムに洗練されたデザインになりました。武装としては、機首に57mm機関砲、20mm機関砲2門、12.7mmの旋回機関砲が装備され、爆弾を500kgまで搭載可能でした。基本性能自体は良好でしたが、離陸滑走時に方向安定性が不十分であるとの指摘があり、尾輪柱の延長で応急的な対策が取られました。

本機は正式名称は持たないものの、多数が実戦部隊に配備されました。ただし、上級司令部の命令により温存される場合も多く、一部の機体しか実戦には参加しませんでした。結果的に、1945年には215機が生産され、この中には他の機種への改造機も含まれていました。

キ102甲（高高度戦闘機型）

次に、キ102甲は1944年6月に試作1号機が完成し、その後排気タービン付きの機体や、排気タービンなしの機体も製作されました。41年11月には増産命令が出され、乙型を改造する形で25機が製造されました。主な違いは、甲型では37mm機関砲が搭載され、排気タービンがエンジンに装備されていました。実際、B-29の邀撃には成功したものの、排気タービンの不具合により、十分な成果は上げることができませんでした。

キ102丙（高高度夜間戦闘機）

1944年11月にはキ102の夜間戦闘機型であるキ102丙の開発も開始されました。この機体は、これまでの型から大幅に改修がなされ、飛行性能向上を目指しましたが、終戦を迎えるまでに十分な実用化は行われませんでした。

結論

キ102は、その多様な用途と設計の進化によって日本陸軍航空機の中でも特異な存在でありました。各タイプの開発、そして戦局における運用形態は、当時の航空戦における重要な一部を形成していたことが感じられます。なお、登場作品の中には『艦隊これくしょん -艦これ-』や『War Thunder』があり、特に前者ではキ102乙という名称で登場しています。

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