キ24 (航空機)

キ24 - 大日本帝国陸軍の初級滑空機

キ24は、1930年代に開発された大日本帝国陸軍の初級滑空機であり、特に少年飛行兵の初歩操縦訓練に用いられました。この機体は、ドイツの初等練習用グライダーであるグルナウ9（Schneider Grunau 9）を基本に設計されました。石川島飛行機が製造を担当し、1935年から1936年にかけて行われた試作開発により誕生しました。

機体の設計と製造

キ24の開発は、1935年の11月に石川島飛行機において開始されました。設計主務者として速水栄一技師が指名され、当時の滑空機製作の技術を基にした設計が進められました。1936年の4月に試作一号機が完成し、翌年の5月には正式に制式採用が決定され、約110機が1938年1月までに製作されました。

主に熊谷陸軍飛行学校を含むいくつかの教育機関に配備され、少年飛行兵の訓練に活用される一方、一部は民間の航空団体でも利用されたことがあります。また、操縦席をナセルで覆った中級機型も存在し、より進化した訓練機としての役割も果たしました。

諸元・性能

キ24の基本的な仕様は以下の通りです：

• - 全長：5.70 m
• - 全幅：11.85 m
• - 全高：2.30 m
• - 主翼面積：17.4 m²
• - 自重：100 kg
• - 全備重量：170 kg
• - 乗員：1名

このスペックからわかるように、キ24は比較的軽量で、空気力学的に優れた設計がなされています。主に初学者のための滑空機として、飛行の基本を学ぶための理想的な機体でした。

歴史と意義

キ24の開発は、当時日本が航空機技術を深化させる中で重要な役割を果たしました。特に、若い世代に航空技術を教育するための基盤となり、後の多くの有能なパイロットを育成する助けとなったのです。このように、キ24は単なる練習機に留まらず、日本陸軍航空の発展に寄与した重要な機体として位置づけられています。

関連文献

この機体に関する詳しい情報は以下の書籍で確認できます。

• - 橋立伝蔵監修『日本陸軍機キ番号カタログ』文林堂、1997年。
• - 野沢正『日本航空機総集 立川・陸軍航空工廠・満飛・日国篇』出版協同社、1980年。
• - 秋本実『日本陸軍試作機大鑑』酣燈社、2008年。

キ24は、日本の航空教育の一環として重要な役割を果たした機体であり、今なお航空史にその名を刻んでいます。

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