ギニーピッグ

『ギニーピッグ』シリーズについて

『ギニーピッグ』は、1985年から制作された日本のビデオ作品シリーズで、全7作のオリジナル作品と3作の総集編があります。このシリーズは、人体切断などの過激な残酷描写を特徴としており、製作当時の最先端の特殊撮影技術が用いられました。

初期の作品では、スナッフフィルムを再現することを目的としており、明確なストーリーラインは存在しませんでした。しかし、後期の作品ではドラマ性が重視されるようになり、物語性を持つようになりました。このシリーズは、国内外の多くのスプラッター映画監督に影響を与えたとされています。

シリーズ名の「ギニーピッグ」は、実験動物として知られるテンジクネズミの英語名に由来します。これは、人体実験をテーマにした作品内容を象徴しています。

社会現象と事件

1989年には、連続幼女誘拐殺人事件の犯人である宮崎勤の部屋から、『ギニーピッグ4』が押収されたことが報道されました。この事件をきっかけに、過激な描写を含む作品が社会に悪影響を与えるという懸念が高まり、シリーズは有害図書に指定されました。

また、俳優のチャーリー・シーンが友人に借りた『ギニーピッグ2 血肉の華』を鑑賞した際、そのあまりの凄惨さに本物のスナッフフィルムではないかと疑い、FBIに通報したという逸話も存在します。

さらに、1992年には、ニューヨークで『ギニーピッグ2』を輸入しようとしたイギリス人が税関で逮捕される事件も発生し、海外でも古くからその存在が知られていました。

入手困難からDVD発売へ

国内では、長らくビデオ作品以外のシリーズが入手困難な状況が続いていました。しかし、2005年にアメリカでDVD-BOXとして発売されたことで、全作品を鑑賞することが容易になりました。その後、個別の作品も販売されるようになり、シリーズ初期の作品も入手しやすくなりました。

インターネットの普及に伴い、動画サイトなどでも鑑賞が可能になったため、ホラー映画専門メディアやアンダーグラウンド誌で取り上げられることは少なくなりましたが、有害図書指定当時を知らない世代にも広く知られるようになりました。

その後の展開

2006年には、日野日出志の解説付きで劇場上映が行われました。2015年には、アンダーグラウンドフェチ映像祭で『ギニーピッグ惨殺スペシャル』が上映されました。2016年には、ニコニコ生放送で『ギニーピッグ1』の制作に関わった人物や、シリーズの制作に携わった人物が証言するなど、制作の裏側も明らかになりました。

また、2016年には、アメリカで制作された『American Guinea Pig』が『アメリカンギニーピッグ』としてリリースされ、シリーズの系譜を継ぐ作品も登場しています。

各作品の概要

ギニーピッグ 悪魔の実験 (1985)
女性に対する執拗な虐待を描いた作品。五感を侵食する苦痛を追求する実験という設定で、残酷なシーンが連続する。
ギニーピッグ2 血肉の華 (1985)
拉致した女性を生きたまま解体する様子を描いた作品。被害者は苦痛を感じない設定だが、その凄惨な描写は見る者に衝撃を与える。
ギニーピッグ3 戦慄! 死なない男 (1986)
不死身の男を描いた作品。
ギニーピッグ4 ピーターの悪魔の女医さん (1986)
奇病を治療するモグリの女医を描いた作品。竹中直人、久本雅美など、個性的な俳優が出演している。
ザ・ギニーピッグ マンホールの中の人魚 (1988)
人魚の膿が全身に広がる様子を描いた作品。そのグロテスクな描写が特徴。
ザ・ギニーピッグ2 ノートルダムのアンドロイド (1988)
アンドロイドを題材にした作品。
LSD -ラッキースカイダイアモンド- (1990)
ギニーピッグシリーズとして企画されたが、発売前にタイトルを変更した作品。佐野史郎が狂気の演技を披露している。
ギニーピッグ 惨殺スペシャル (1991)
シリーズの映像をまとめた作品。
アメリカンギニーピッグ (2016)
アメリカで制作された、ギニーピッグシリーズの系譜を継ぐ作品。

『ギニーピッグ』シリーズは、その過激な内容から賛否両論があり、社会現象や事件にも関連して語られることが多い作品です。1000文字以上1400文字程度。

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