ギャレット・リチャーズ

ギャレット・リチャーズ：苦難を乗り越え、再び輝きを放つベテラン右腕

ギャレット・トーマス・リチャーズ（Garrett Thomas Richards, 1988年5月27日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州リバーサイド出身のプロ野球選手。MLBのテキサス・レンジャーズに所属する右投右打の投手です。

大学時代

オクラホマ大学に進学したリチャーズは、1年時にクローザーとして活躍。2年目からは先発に転向し、その才能を開花させました。

プロ入りとエンゼルス時代

2009年のMLBドラフトで、ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムから1巡目追補（全体42位）で指名を受け、プロ入りを果たします。契約金は80万2800ドルでした。

2011年8月10日のニューヨーク・ヤンキース戦でメジャーデビュー。2012年6月5日にはAAA級ソルトレイク・ビーズから昇格し、同日のシアトル・マリナーズ戦でメジャー初勝利を挙げました。2013年後半からは先発ローテーションに定着します。

2014年には13勝、防御率2.61という好成績を挙げ、ブレイクを果たしました。しかし、8月20日のボストン・レッドソックス戦で一塁ベースカバーに入った際に左膝を負傷し、靭帯断裂という重傷を負い、シーズンを棒に振ることに。26試合の先発登板に留まりましたが、規定投球回には到達。被本塁打率0.27はリーグ1位という記録を残しました。

2015年はフルシーズン先発ローテーションで投げ、エース格としてチームを牽引。チームで唯一200イニングを超え、二桁勝利を達成しました。15勝12敗、防御率3.65、176奪三振という成績をマークする一方で、17暴投を記録し、2年連続でリーグ最多となりました。

2016年は、5月1日までに6試合に先発し、1勝3敗、防御率2.34の成績を残していましたが、右肘痛のため故障者リスト入り。右肘内側側副靱帯の損傷が確認され、長期離脱を余儀なくされます。トミー・ジョン手術を回避し、幹細胞療法による治療を選択しましたが、7月29日には残りシーズンを全休し、治療と休養に専念することを発表。2017年も完全復活とはならず、6試合の登板に終わりました。2018年にはトミー・ジョン手術を受け、シーズンを全休。オフにFAとなりました。

パドレス、レッドソックス時代

2018年11月30日にサンディエゴ・パドレスと2年契約を結びます。2020年オフにFAとなると、2021年2月3日にボストン・レッドソックスと1000万ドルの単年契約を締結。40試合（先発22試合）に登板し、7勝8敗3セーブ、防御率4.87、115奪三振を記録しました。オフに再びFAとなります。

レンジャーズ時代

2022年3月20日にテキサス・レンジャーズと450万ドルの単年契約を結び、現在に至ります。

投球スタイル

平均球速153km/hのフォーシーム、ツーシーム、カットボールという3種類の速球に加え、140km/h台のスライダー、チェンジアップ、130km/h台のカーブを操ります。速球が投球全体の約60％以上を占め、変化球ではスライダーが約25～30％、残りがカーブ、チェンジアップの順に多くなっています。2012年からツーシームとカーブを投げ始め、投球の幅を広げました。

度重なる故障に苦しみながらも、常に前向きにリハビリに取り組み、再びマウンドに上がり続けるリチャーズ。ベテランとなっても、その闘志は衰えることなく、チームのために腕を振ります。

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