ギャロップ (ガンダムシリーズ)

ギャロップ

ギャロップとは、アニメ『機動戦士ガンダム』および『∀ガンダム』に登場する架空の陸戦艇です。この兵器はジオン公国軍のランバ・ラル隊が活用しており、その名は馬術の用語「襲歩」から由来しています。ギャロップは四肢を空中に持ち上げたように走る速い馬の動きを象徴しています。

機体の構造

ギャロップは、底部にホバークラフト機構を持ち、側面には強力なジェットエンジンポッドが装備されています。この独特の構造によって、巨大なボディながら驚くべき速さで砂漠地帯を移動できます。ポッド内には4つのエンジンが配置されていますが、物語中ではガンダムによる攻撃で一部が破壊され、双発で運用される場面も見られました。それでも、緊急時の航行機能を失わずに性能を維持したようです。

艦体の後ろ側には補助エンジンが4つ備えられ、先端にはブレーキ用の噴射口も確認されています。このため、エンジンポッドがなくても独立して航行ができることが可能です。また、艦体の前方にはモビルスーツ（MS）が発進できるハッチがあり、小規模な部隊の移動基地としての機能を果たしています。搭載可能なMSは約3機で、必要に応じて整備も行える仕組みになっています。

艦体の前面には航行ブリッジがあり、非戦闘時の指揮が行われます。しかし戦闘時には、指揮官や乗員は航行ブリッジから戦闘ブリッジへ移動し、操作を行います。この戦闘ブリッジは、緊急脱出用の艇を兼ねており、いざという時には短距離の飛行が可能です。

武装と機能

武装に関しても充実しており、航行ブリッジの両側に対地および対空用の連装大型機関砲が各1基搭載されています。後方には地上目標への長距離支援を担う大型連装砲塔も設置されています。劇中では、この主砲も対空戦闘に使用されるシーンがありましたが、射界が制限されているため注意が必要です。

また、艦尾に設けられた連結器によって、物資運搬トレーラーであるカーゴとの連携が可能で、長期間の作戦活動も視野に入れて考えられています。戦闘時にはこのカーゴを牽引して運用することはありません。

搭載機には、ザクやグフなどが含まれ、機動力においても高い評価を受けています。砂漠地帯の地形を利用して、飛躍的に移動する能力も示されました。しかし、装甲の弱さからビームジャベリン1本で簡単に破壊されるなど、防御面では課題も抱えています。

カーゴとその役割

ギャロップは、キャンピングトレーラーとして使用されるカーゴを牽引することが可能です。このカーゴはドーム状の形状をしており、ホバークラフトによって浮上します。ただし、自走機能は持たず、ギャロップとの連携が不可欠です。アニメ内ではランバ・ラル隊によって使用され、特に第16話から第21話にも登場します。

特筆すべきは、ストーリーの途中でクラウレ・ハモンらによって自走可能に改造された事件があり、最終話では爆薬を詰め込んでホワイトベースに突撃を試みるも、作戦は失敗に終わるシーンです。

劇中での光景

ギャロップは、宇宙世紀を舞台にした『機動戦士ガンダム』の中で、ランバ・ラル隊の重要な移動基地として機能し、ホワイトベース隊との戦闘においても火力と機動力で活躍します。また、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』にも登場し、多くのファンに愛され続ける存在となっています。

まとめ

このように、ギャロップはただの陸戦艇ではなく、戦術的な役割を持った移動基地として、ジオン公国軍の一翼を担う重要な兵器です。『∀ガンダム』においてもその名は引き継がれ、異なる形での登場を果たしています。ギャロップの存在は、ガンダムシリーズの中でも特に印象深いものの一つと言えるでしょう。

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