ギヨーム・ギヨン＝ルティエール

ギヨーム・ギヨン＝ルティエール（1760年1月10日 - 1832年4月22日）は、18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍したフランスの新古典主義の画家です。カリブ海のフランス海外県であるグアドループのサンタンヌで生まれました。

生い立ちと教育

ルティエールの母はグアドループのムラート（混血）の解放奴隷であり、父はフランス人の公証人でした。彼は混血として生まれましたが、1799年に父親によって認知されました。幼い頃から絵画の才能を示し、父親は彼をフランスで教育することを決意し、1774年にフランスへ移住しました。

家族の三男であった彼は、当初「Letiers」という名前を名乗り、ルーアンの美術学校でジャン＝バティスト・デカンに師事しました。3年間の修行でその技術は大きく向上し、その後「Le Thière」と綴りを変更しました。さらに、王立絵画彫刻アカデミーの教授であるガブリエル＝フランソワ・ドワイアンの弟子となり、研鑽を積みました。

ローマ留学と新古典主義

1784年、ルティエールはローマ賞に応募し2位となりました。2年後、再び応募するも入選は逃しましたが、ローマへ留学する機会を得ました。ローマでは、同じく新古典主義の画家であるジャック＝ルイ・ダヴィッドと交流し、共に新古典主義のスタイルを発展させました。数年間ローマに滞在した後、1791年にパリへ帰国しました。

その後と教育活動

1807年から1816年まで、ルティエールは在ローマ・フランス・アカデミーの校長を務めました。1818年にはレジオンドヌール勲章（シュバリエ）を受章。1819年からはエコール・デ・ボザール（国立美術学校）の教授に就任し、後進の育成に尽力しました。彼の教え子には、イジドール・ピルスやテオドール・ルソー、ルイ・ブーランジェなど、後に名を成す画家たちがいました。

作品

ルティエールは、歴史画や神話を題材とした作品を多く残しました。彼の作品は、新古典主義の特徴である、均整の取れた構図、明確な線描、そして古代への憧憬を色濃く反映しています。代表作としては、「ブルータスの子を運ぶリクターたち」や「カエサルの死」などが挙げられます。これらの作品は、彼の卓越した技術と、新古典主義の精神を今に伝える貴重な遺産となっています。

ギヨン＝ルティエールに学んだ画家

イジドール・ピルス
テオドール・ルソー
ルイ・ブーランジェ

参考文献

B. Foucart, G. Capy und G. Firent Laballe: Guillaume Guillon Lethière. Paris und Pointe-à-Pitre, 1991.
Darcy Grimaldo Grigsby: Revolutionary Sons, White Fathers and Creole Difference: Guillaume Guillon Lethière’s „Oath of the Ancestors“ of 1822. In: Yale French Studies, 101 (2002): S. 201–226.
T. Oriol: Les Hommes célèbres de La Guadeloupe. Basse-Terre, 1935, S. 39–47.

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